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KEITH EMERSON(Keith Emerson Band)来日公演

  • 2005.10.15(土) 東京厚生年金会館 17:00開演

週末とはいえ開場16:30、開演17:00と通常のライブよりも時間帯が早めなのはやはりオッサン世代対応型なのか?w 東京厚生は5月のハロプロ以来だなぁ、とか思いつつ入場。物販ではMoogとC3の鍵盤部がプリントされたTシャツとポスターパンフ、携帯ストラップを購入。会場には若い人の姿も見られますが、平均年齢はやはり高め。僕よりも一回り上くらいの人が一番多かったかも。

おかげさまで9列目どセンターと、見晴らしも音響も良さそうな席からの鑑賞です。コの字型に組んだキーボードは若干内向きセッティングしてるので、キースの手元もバッチリ見える角度です。キースのブースはEL&Pと同じくセンターよりやや下手。正面を開いたコの字型で、上手側にはお馴染みGOFFの刻印の入ったHammond C-3(スタンド部を切り離して、特注っぽい2本足のスタンドで支えてます。スタンドの横ステーにはエクスプレッションベダルが取り付けてあります)、その上にKORGのOASYS 88鍵、下手にはKORG TRITON Extremeのこれまた88鍵、そしてコの字の奥には先日この世を去ったボブ・モーグ博士によって生み出された伝説的なシンセサイザーMoog Modular(キース所有のオリジナルMoogかレンタルのMoog IIIかは分かりません)が鎮座ましまします。格闘専用のL-100の登場はありませんでしたねw 今回、最新シンセサイザーのOASYSがかなりの大活躍で、88鍵盤を活かしたスプリットポイントの設定や音色のアサイン、パッド部にも色々とサンプルネタをアサインして効果的に使用してました。
ピアノソロで演奏するスタインウェイのグランドピアノはステージ上手にセッティング、これは会場常設のものでしょうか。

Keith Emerson(key)をサポートするバンドメンバーは、Dave Kilminster(g, vo)、Phil Williams(b)、Peat Riley(dr)の4人。デキブ・キルミンスターはFenderのテレキャスにアンプはAC30を2台、メタメタしない程度に結構ガッツリと歪ませてます。エレアコはTakamineを使用。ドラムのピートはレフティなセットで、タイトで気持ちのいいドラム。たまにフィルなどで手数のある所も見せますが、堅実にサポートしている印象。後半ドラムソロがありましたが、飽きの来ないソロでした。ベースのフィルは一番地味でしたが、所々小技を効かせたプレイもありましたね。リズム隊GJ!
キルミンは、センターポジションでVo&Gなので目立ちますが、歌もギターも個人的には好印象。グレッグのような力強い低音よりも、ハイトーンの方がお得意のようです。ギターはHR寄りのオールランダー、テクニシャンという感じで、なんとなくリッチ・コッツェンやIt Bites時代のフランシス・ダナリーを思い出してしまいました。たまにキースのブースの前で演奏するので「おまえ邪魔!」状態なこともありましたがw、バンドに活きのいい若者(と言っても30過ぎに見えました?)がいることで、活性剤になっているのかもしれません。派手なスイープ、タッピング、速弾き等の見せ場も結構ありました。
以下、セットリスト雑感。

  • Welcome Back(Karn Evil 9 1st Impression pt2)
    • ほぼ定刻通りに暗転して、メンバーがわらわらと登場。Moogのステップシーケンサーを走らせておどけるキース達、シーケンスと入れ替わりにWelcome Backの例のS&Hシーケンスが流れます。沸き上がる会場、僕の視界は既に滲んでます。キルミンのVoは若干グレッグ・レイクを意識しているようです。
    • 再結成ELPの時みたいにWelcome Back最初の部分だけかと思いきや、第一印象ラストまでの演奏でした。
    • キースの鍵盤捌きもGlasgow 2002よりもかなり良く、コンディションは上々のようです。そして何よりも活き活きとバンドとの演奏を楽しんでるのが、こちらにも伝わってきます。'70年代のELPの緊張感とは違いますが、実力のある若いメンバーに囲まれて伸び伸びと演奏を楽しめているようです。
  • Toccata Con Fuoco
    • 続けて演奏されたのは、「Works」の「ピアノ協奏曲1番」第3楽章のピアノリフ。元はオーケストラだったこの曲をバンドアレンジでロックに仕上げてました。いやぁ、この曲が聴けるとは嬉しい!
  • Living Sin
  • Bitches Crystal
    • 更に「Trilogy」「Tarukus」からのELPナンバーが演奏されます。ギターが入ってるので、よりハードな印象。キルミンはキースのキーボードにギターでユニゾンさせるような演奏も多かったですね。
    • 確かこの後あたりでMC。日本語を披露する為にカンペを取り出すキース。ポケットから老眼鏡?(グラサン)を取り出すお茶目なジョークなどもw キースが喋った日本語は、、、「避妊するの忘れちゃった」とかしょーもないオヤジ下ネタw でもウケてた。後半のMCでは「至急、、、手術ををします」だったかなw
    • そうそう、曲毎にラウンドガール風のお姉さんが、片仮名曲名の書いてあるボードをかかげて下手袖から上手袖へ。全部知ってる曲だからちょっと邪魔だなぁと思いつつも、なんかほのぼのムード。
  • Hoedown
    • 最初のシンセのSEはOASYSで。これで全身の血液が逆流! 最初のテーマは若干ミスってましたが、オルガンで弾き切ってくれて嬉しかった。ソロ部分はできればキルミンのユニゾンは遠慮して欲しかったかな。キースは途中でブルースハープも披露、これはあまり上手くなかった
  • Country Pie
  • Static
    • (キルミン作曲?ピート作曲?)の新曲。今風(?)なプログレハード曲。Dream Theatreの「6:00」に似たリフが登場。
  • Intermezzo From The Karelia Suite
    • カレリア。TRITON Extremeのストリングスがい感じでした。
  • Piano Solo(New Song, A Cajun Ally, Creole Dance)
    • 上手のスタインウェイに移動して、まずはニューオリンズの被災者に捧げるという曲をキルミンのアコギと一緒に演奏。その後ソロピアノで「A Cajun Ally」と「Creole Dance」、やっぱりキースのピアノはいいです、つーかウマー。
  • Touch And Go
    • ちょっと驚きのエマーソン・レイク&パウエルのナンバー。コージーに捧げる気持ちもあったのかもしれませんね。これは嬉しかった、贅沢言うと「The Score」聴きたかった。シンセブラスはOASYS。
  • Lucky Man
    • さすがにグレッグの低い音域はキルミンにはキツそうです。サビを観客に歌わせようとしますが、オジサンオバサン達の声は、、、悲しいぐらいに小さい。
    • やはり圧巻だったのがラストのムーグソロ。現代を代表するハイテクシンセのOASYSやTRITONでは絶対に出せない、次元の違う音圧です。低音域では地鳴りのような振動が会場を包みます。この音響を作ってくれたPAにも感謝したい。(ライブ最初は若干LRのバランスが悪かったですが…) 感動です。
  • America/Rondo
    • 「America」はオルガンで弾き切ってくれました、ナイス!
    • 「Rondo」ではお約束の「トッカータとフーガ」の逆弾きも。一回鍵盤の後ろに周りかけて、観客の反応を伺ってからおもむろにOASYSのディスプレイを倒して・・・うおぉぉぉ(観客!)
  • Tarkus
    • 最初のボイスはTRITON。テーマはオルガンじゃなくOASYSのシンセブラスで演奏、ちと残念。キースの壮絶インタープレイも炸裂で、お得意のオルガン連続グリスに、リボンコントローラーを手にステージから飛び降りる場面も! とても60歳のパフォーマンスとは思えないハッスルぶり。「Battle Field」後に「Epitaph」の挿入もありました。キルミンのロングトーンの肺活量も見せ場でした。
    • テーマへ戻る掛け下がりフレーズは何故かサンプリングのフットスイッチ再生。銅鑼はキースがOASYSのバッドでぐぉ〜ん♪
    • 最後には「教典/第三印象」ラストのシーケンスがMoog Modularのステップシーケンサーで流され、スタンディングオベーションの中メンバーは退場。ステップシーケンサーの点滅が滲んで見えます。
  • (encore1)Black Dog
    • キルミンをフィーチャーしたアンコール1曲目。驚きの選曲でしたが観客の反応は上々です。プラント真似のハイトーンは少々キツそうでしたが、ギター含め格好良かった。今回ナイスサポートだったのキルミンスターはこれぐらいの見せ場があっても許せます。キースは控えめにシンセでサポート。
  • Fanfare For The Common Man
    • 「庶民のファンファーレ」。キースファン的にはこちらが本当のアンコールです。本編ではずっと着席だった会場もアンコールではオールスタンディングで手拍子。最後に5人目のメンバーとばかりに、Moog Modularを紹介するキースとバンドのメンバー。これは泣けました。
  • (encore2)Honky Tonk Train Blues
    • 更に嬉しいダブルユーアンコール。OASYSのサンプラーで電車のSEを流して笑いを誘うキース。
    • ブギウギの陽気なリズムで会場はノリノリ(死語)、ELPのナンバーでなく、あえてこの曲で締めてくれて良かったかもしれません。

〜Setlist〜

Welcome Back(Karn Evil 9 1st Impression pt2)
Toccata Con Fuoco
Living Sin
Bitches Crystal
Hoedown
Country Pie
Static
Intermezzo From The Karelia Suite
Piano Solo(New Song, A Cajun Ally, Creole Dance)
Touch And Go
Lucky Man
America/Rondo
Tarkus

〜encore1
Black Dog
Fanfare For The Common Man

〜encore2
Honky Tonk Train Blues

17:05〜19:30(2h 25m)