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音楽の話はここで書くかもしれません

好きなギターの上手いボーカリストの話と森大翔さんの衝撃

ギターの上手いボーカリストの話。バンドのギタリストがソロ活動でちょっと味のある歌を歌う(これはこれで好き)のとも違って、フロントマンとしての存在感や歌唱力に、ギタリストとしても十分に活躍できそうな技術や個性が両立している人。どこにでもいる訳じゃないけど、そんな定期的に天が二物を与えてしまった凄いアーティストがたまにシーンに登場します。私の趣味の範囲からですが、今回はそんなギターとボーカルの凄い人たちの話。

まずはこの人は外せない、プリンス。この人の場合は歌がどうギターがどうというよりは、PRINCEという存在自体が音楽を表現しているような人。

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矢野顕子のライブに行くと、歌と喋り、ピアノが全てシームレスになったような不思議なパフォーマンスを見ている気持ちになるのですが、そういったタイプのミュージシャン。PRINCEという存在があってこそのギタープレイなので、ちょっと別枠かも。でもスーパーボウルの動画を貼りたかったので最初に(と思ったら貼れなかった。超有名なパフォーマンスだけど知らない人はリンク先で見て!)

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もう少し新しいところでジョン・メイヤー、と思ったらもう20年前! デビュー当時からギタープレイには定評がありましたが(「Neon」とか)、どこかギターを持ったポップス歌手と見ていた人も、2005年のジョン・メイヤー・トリオで、ピノ・パラディーノ&スティーヴ・ジョーダンという超一流のリズム隊を従えてなんら臆することのない激アツのギタープレイにノックアウトされてしまったはず。私なんですけど。

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若い頃に大好きだったダン・ハフ。スティーブ・ルカサーより少し後の世代でLA界隈のセッションギタリスト(スタジオミュージシャン)として活躍したギタリストです。1987年にアラン・パスクァ(ジャズ、フュージョンの世界で有名なピアニスト、キーボーディスト)らと結成したHRバンドのGIANTではボーカル&ギターを担当。1stアルバムの冒頭「I'm A Believer」(シングル曲)では挨拶代わりにいきなり1分間のギターソロを披露。

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セッションミュージシャン達によるバンドということで、TOTOを引き合いに出されることもよくありましたが、ルカサーがあくまでギタリストだったのに対して、ダン・ハフはボーカリストとしても一流。ハイトーンのシャウトを決めた直後にものすごい速弾きソロを弾いてしまう。その後は表舞台からは一歩引いて、音楽プロデューサーとして成功を収めています。

かつてはギターファン的な視点で音楽を聴くことが多かった自分ですが、ギターもボーカルも同じレベルで好きだったのがエリック・ジョンソン。かなりキャリアの長いアーティストで世間的にはギターインストゥルメンタルのイメージが強いかもしれませんが、作品もライブも8割ぐらいは歌モノで構成されています。EJの歌モノは名曲揃いですが、個人的に好きな「My Back Pages」(ボブ・ディランのカバー)を貼っておきます。爽やかな歌声と美しいギタートーン、鮮やかなソロ、たまらん。

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プログレッシブロックバンドのYESが80年代に「Owner of a Lonely Heart」で復活を遂げた際の立役者、トレヴァー・ラビン。YESでは一部の曲を除いてほぼギタリストに徹していましたが本来は歌も歌うマルチプレイヤー(鍵盤も達者)。この時期のYESはトレヴァーソロのボーカルをジョン・アンダーソンに差し替えただけと言ったらさすがに過言だけど、あながち過言でもない。

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ダン・ハフ同様にミュージックビジネスの世界に疲れたのか表舞台からは去って、今度はハンス・ジマーの元で映画音楽家として大成功する多才ぶりですが、2018年にジョン・アンダーソンやリック・ウェイクマンと共にショービジネスの世界に復帰(来日公演、良かった…)、昨年はなんとロックのソロアルバムをリリースして、ギター、ボーカル共に現役ぶりを見せつけてくれました。

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ギタリストとしてシーンに登場したけど、ソロ活動をしたらとても歌が上手く、以後はギター&ボーカルがメインになったのがレスポールカスタムの貴公子ジョン・サイクス。Blue Murderの1stでは「結構歌もうまいのね」ぐらいだったのが、その後WHITESNAKE時代の曲なども完璧に弾きながら歌って見せる姿に度肝を抜かれたHR/HMファンは多いはず。

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このライブは実際に会場で見ましたが正直本家のライブよりも感動してしまった(笑)(当時の本家WHITESNAKEでは元Lionのダグ・アルドリッチがいい感じにサイクス再現をしていましたが、それでも)。

世代的にギリギリ生で見られなかったのが悔やまれる元It Bitesのフランシス・ダナリー。ニューウェーブの中から登場した新しいプログレといったサウンドで大好きなバンドでした。ボーカルは元GENESISのピーター・ゲイブリエルぽさもあり、ギターソロではアラン・ホールズワースを彷彿とさせるレガート系の速弾きと、本当に驚いた。

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再結成It Bitesでフロントマンを努めたジョン・ミッチェルも、フランシス・ダナリーに見劣りしない見事なギターテクニックとボーカルの持ち主でした。こちらはライブで何度か見ていますが、ライブ終了後に普段は辛口な某ギター誌の編集者がジョン・ミッチェルを大絶賛していたのを覚えています。

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元King Crimsonのエイドリアン・ブリューも好きでしたが、ちょっとギタリストとしての比重が大きいイメージ。デイヴ・ムステインやジェイムズ・ヘットフィールドも凄腕の持ち主ですがバンドの中ではリードギタリストが別にいるので今回は取り上げません。

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追記:なんだかすごい重要な人を忘れてた。シュラプネル系テクニカルギタリストとしてデビューした後、PoisonやMr. Bigにも加入した経歴を持つリッチー・コッツェン。Mother Heads Family Reunion名義では以前からそのボーカルを披露していたけど、ポール・ロジャースやクリス・コーネルを彷彿とさせるソウルフルなハスキーボイスは、テクニカルギタリスト界随一の歌声の持ち主。ビリー・シーン、マイク・ポートノイと結成したスーパーグループThe Winery Dogsではメインボーカル&ギタリストとして、ようやくコッツェンも安住の地を見つけることができたのか……?

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続いて邦楽。ギター巧者のボーカリストといえばやっぱりChar、というか日本を代表するギターヒーローです。ライブでも何度か見ていますが、フロントマンとしての存在感が圧倒的。ギタープレイについては言わずもがな。

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一昨年前の紅白歌合戦の規格枠に桑田佳祐らと出ていた際、テレビを見ながら妻が「Charって歌上手いんだね」ととても素直な感想を言ってましたが「それはそう」。

最近のバンドを知らないおじさんなので、四人囃子の話をします。私が生まれた頃のバンドなので全然リアルタイムではないですが……。バンドの顔でもある森園勝敏は70年代を代表するギタリストですが、歌に関しては(以下略 そんな森園氏が抜けた穴を埋めたのが、2代目ギター&ボーカルの佐藤ミツル。アルバム『PRINTED JELLY』はニューウェーブ+プログレといったサウンドで、歌とギターの両方で佐藤ミツルの個性が遺憾なく発揮されています。

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JPOPなんて言葉がまだなかった時代の日本のポップス界にもギターの上手いミュージシャンは多く、カッティングの名手としても知られる山下達郎、Moonからシグネチュアモデルが出ている角松敏生、1人ベンチャーズのフォーク歌手村下孝蔵、歌謡曲の世界には野口五郎というサンタナフリーク…… 話を戻します。
今、名前の挙がった方々がライブではリードギタリストを迎えているのに対して(村下孝蔵は違うか)、バンドのフロントマンとしてメインでギターも担当するのがスターダストレビューの根本要。

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歌は激ウマ(この人の歌声は日本の宝だと思う)、トークはさだまさし級!?、ギターも上手いと三拍子揃ったフロントマンですが、数年前に四人囃子のドラム岡井大二率いるスピンオフ四人囃子に参加していて、スタレビと四人囃子という違和感に驚きました(ギターには元HOUND DOGのギター侍こと西山毅氏も参加)。しかしながらフジロックフェスの中継を見たら、森園・佐藤時代両方のギターと歌を見事にこなす根本氏を見て、この役は他の人にはできないなと(「昼下がりの熱い日」のギターソロは良かった!)

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佐藤ミルツ時代の四人囃子をカバーしていといえば、昨年ちょっと炎上騒動があったROLLY(カバーアルバムでは「ハレソラ」をカバー)も素晴らしいギター&ボーカル。個人的にはやはりすかんち時代のROLLYボーカルが好きなのですが、自分もライブを一度だけ見たOPERAツアーの映像をご覧ください。1人でジミー・ペイジとロバート・プラントになりきってしまったかのロックスター然としたパフォーマンス。まあ、冒頭で弾いてるのはCoverdale-Pageの「Pride And Joy」なんですけど(そういうとこも好き)。

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他にもTRICERATOPS和田唱さん、山崎まさよしさん、オーイシマサヨシさん… ギターも歌も一流のアーティストは大勢いますが、突然私の好きなギタボについて語りたくなったのは、つい最近凄いアーティストを知ってしまったから。

それが森大翔(もり やまと)さん。最近Spotifyで流行りのJPOPをよく聴いていたからか、レコメンドで流れてきたのですが、軽快なサウンドと心地良いメロディ、ミックスボイスの軽やかなハイトーンなど自分好みの歌声に、あまりJPOPでは聴くことのないシュレッドなギタープレイが耳に残りました。

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気になってYouTubeでPVを見たところ、なんとギターを弾きながら歌うソロアーティストで、2021年にデビューしたばかりのまだ20歳という若さ。ちなみにご出身は北海道の羅臼町だそう。
「アイライ」動画の森さん、めちゃくちゃ凄くないですか!? この歌とギター、軽快なダンスのステップ、完全にニュージェネレーション。

ご本人の公式YouTubeチャンネルを少し遡ったら、まだ中学生の頃にGALNERYUSや、ANGRA、Periphery、Dream Theatreといったテクニカルなギターで知られるメタル系のギターをコピーする動画……。
その後は7弦ギターを駆使したDjent系のオリジナル曲などを発表しつつ、2019年に16歳の若さでアーニーボール(MUSIC MANを傘下に持つギター弦メーカー)が主催する若者を対象にしたギターコンテストで世界1位になっています。この頃はコンテストでも審査員を努めた、オーストラリアのプログレメタル系ギタリストPlini(プリニ)の影響も大きいようです。

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それにしてもギターを初めて4年でこれは進化のスピードが半端ない。
ちなみに2016年1月に投稿されている1本目の動画と、同じ年の9月に投稿された2本目の動画。人間って7ヶ月でこんなにギターが上手くなるんですね……唖然。

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プログレメタルなどのテクニカルなギタープレイを追求する若いギタリストは国内外にも多いのですが、18歳になった森大翔さんはなんとアコースティックギターを手にポップス系のシンガーソングライターとしてデビューします。もちろんギタープレイは素晴らしいテクニックを駆使していますが、それまでYouTube等で見せてきた路線とは大きく異なる弾き語りスタイルです。

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ギタリストとしても短期間でとてつもない進化をしているだけに、音楽で表現したい世界も常人では考えられない速度で成長をしているのかもしれませんが、それにしてもこの変化には驚かされます。
しばらくはアコースティックギターをメインに、徐々にバンドスタイルの曲も発表しつつ、2023年発表のシングル「剣とパレット」では満を持して(?)エレキギターを解禁します。

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得意としていたメタル系のテクニカルなプレイだけでなく、フュージョン的なフレージングやスケール使いを取り入れて音楽の幅を広げています。ボーカルでもラップを取り入れるなどまさに変幻自在。
2023年発表のアルバム『69 Jewel Beetle』ではソングライティング面でも進化を見せ、ギターの技術に胡座をかくことなくジャンルレスな楽曲で勝負できるアーティストに。もちろん鍛え上げられたギタープレイもしっかり楽しませてくれる作品です。

ここで、ちょっと話は変わって、自分は弓木英梨乃さんというKIRINJIにも参加していたギタリストが好きで、YouTube動画をよく見てるのですが、BTSなどのナンバーに自身のギタープレイを重ねたパフォーマンスが最高なのです。

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実際はポップス系のバックになかなかここまで弾きまくりのギターが入ることは少ないのですが(ナイル・ロジャースならともかく)、それをリアルに実現してみせてくれたのが森大翔さん、なにせ主役が彼なのだから、歌も得意のギターも全力でフィーチャーされてます。
ライブ動画もいくつかYouTubeに上がっていますが、初ワンマンでこの堂々としたステージング。

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昨年11月のライブ。当て振りのPVを見ているのかと勘違いしそうなパフォーマンス。

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ひところから今どきのJPOPアーティストのライブパフォーマンスを見ると、その完成度との高さ、スタジオ録音かと見紛うほどのブレなさに驚くことが増えたのですが(超ベタな感想ですが、YOASOBIとかAdoとかMrs.GREEN APPLEとかヤバくないですか?)、森大翔さんのパフォーマンスも完全にそちら側。新時代、新人類を見る気持ちです。
ぜひともこのスタイルのままブレイクして欲しいなぁ…。

Spotifyで聴いたその日にすっかり夢中になって、今月開催されるライブのチケットを取ってしまいました。“上手いギタボが大好きおじさん”の1人として、若き才能を生で見られるのが今から楽しみ!