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音楽の話はここで書くかもしれません

OFF TO THE USA/KENSO

川崎CLUB CITTA' 2005.6.26
KENSO(g:清水義央、 key:小口健一、key:光田健一、b:三枝俊治、dr:小森啓資)

来月フィラデルフィアにて行われるNEAR fest 2005出演への渡米を控えたKENSOのライブを川崎チッタで見てきました。


アルティ・エ・メスティエリから2週間ぶりでまたまた来ましたクラブチッタ。物販では新作アルバムの「Chilling Heat」、「Esoptron(エソプトロン)」、DVD「ハレ紀」、KENSO結成30th記念本を購入。しめて12K。「30th記念本」はデザイン、組版は結構厳しいものの中身はかなり面白い。ドラムの小森さんはアマチュア時代、Loudness樋口さんのクリニックで叩きまくってスカウトされたのだとか。

機材はちゃんとチェックできませんでしたが、上手の小口氏ブースはV-Synth、MOTIF、XB-2にJP8000?…。今までのTrinitがあった位置にセッティングされたV-Synth(昨年は上手XB-2の上段)はリード、パッド、ガムラン風の音色と大活躍で、Dビームもかなり積極的に使ってました。下手の光田氏ブースにはかなり色々とあったなぁ… MOTIFが2台に、YAMAHAのステージピアノ、Prophet5、Matrix12等々… 覚えてません。
清水氏はレスポール(STD/HB)とSSギターのコンポーネントストラト、ヘッドはレクチでキャビはマーシャル、足下は不明。レスポールの音はちょっと聴き取りづらかったです。というか、各楽器の分離のあまり良くないPAでした。個々に鳴らしている時はいいのですが、爆音アンサンブルの中でギターやキーボードが埋もれてしまうことが何度か…。小森氏の爆音ドラムは気持ちよかったですが、ギターやキーボードがもう少しクッキリ聴きたかったなぁ。そんな中、ProphetとMatrixの音抜けの良さはさすが。

オープニングから初期KENSOの3曲で飛ばしまくり。「海」から始まって3曲目には「空に光る」とは、清水氏も言ってましたがまるでライブ後半のセットリストのようです。この2曲は日本人ならではの童謡を思い起こさせるような叙情的なメロディが、ロックというジャンルで再構築されたかのまさにKENSOを代表する曲だと思ってます。海外のバンドには絶対このメロディは作れないだろうなぁ、なんて思いながら学生時代に聴いていました。
清水氏のオモシロMC(今回は期待してたJ-POP叩きが無かったなぁ…)を挟んで「太郎という生き方」、、、、が始まってすぐに後ろの方にいた客がステージ上に乱入。一瞬清水氏が演奏を中断するもののバンド演奏は止まることなく、光田氏の合図でスタッフが袖に排除。結局何事もなかったですが、もう少しスタッフには早めに手を打って欲しかった。

このアクシデントで奏者の集中力が殺がれなければ… という不安は稀有に終わり、「精武門」では怒りの鉄拳とばかりのリフをかき鳴らす清水氏。それにしても、新ドラマーの小森氏が素晴らしく良い。村石雅行氏からのドラマー交代はバンドのパワーダウンに繋がるかとも思ってましたが、いやあ、ゴメンナサイ、本当に格好いいドラムでした。時にメタルをも思わせるツーバスの連打から複雑な変拍子、、、手数やテクニックはもちろんですが、ダイナミックな中にも暖かみのあるドラムとでも言うのでしょうか。「月の位相1」中盤に繰り広げられたドラムソロには痺れました(この曲は正に「村石KENSO」を代表するような曲なのですが、小森ドラムで新たに生まれ変わってましたね)。どちらが良いというのではなく「こっちも凄く良い」

現在レコーディング中という新曲2曲を挟んでリリカルで美しい「美深」、そして小口氏のペンによる「Gips」。「Gips」は「Esoptron」を聴いていないので完全な形を知らなかったのですが、「ZAIYA LIVE」の短いバージョンをその昔ライブでコピーしたなぁ…(遠い目)。小口氏、光田氏のそれぞれの個性が良く表れたキーボードソロ、昔の僕だったら断然にエディ・ジョブソンを彷彿とさせる小口氏のスタイルに憧れるのですが、今はそれぞれに非常に魅力的なキーボーディストだと思います。やはりKENSOはこのツインキーボードという独特の編成が、バンドの大きな強みなのですよね。

そして僕の大好きな「月の位相」。最近のライブではあまり演奏されていなかったようですが、自分にとって「夢の丘」のナンバーはリアルタイムKENSO体験の最も思い出深い曲。ドラムパターンから始まる初めて聴くアレンジでしたが、その時点で「これは『月の位相』が来る!」という予感。「心の中の古代」も聴けて、大興奮な僕なのでした。(少し泣いたw) MCで「一時は夢の丘を否定した時期もあったけども、今ではやはり素晴らしいアルバムだと思っている」といったような事を話していた清水氏。僕は「Esoptron」を聴いていなかったので、清水氏の話していた「否定」がどのような意味だか分からないのですが、数年前の「天鳶絨症綺譚」のオープニングの「精武門」を聴いたとき、その荒々しいサウンドに驚いた記憶があります。

MCに続いてちょっとしたカバーメドレー。シカゴ、GFRと来てKANSASになった時の反応が一番大きかったような。自分も学生の頃全く同じ曲をやってました。ラストは「スパルタ」の「Good Days Bad Days」、ツインキーボードのバトルがカッコイイ、お約束の「熊蜂の飛行」合戦など。
アンコールも和やかで今のKENSOが非常にいいムードというのが良く出ていたと思います。個人的には最後の清水氏のアコギソロがやや余計だったかなという印象も
今回はNEAR fest 2005への出演を意識してのセットリストだったのでしょうかね。冒頭のクラシックKENSO曲は世界でも(プログレファンには)名の通った名曲達でしょうし、日本代表KENSOの格好良さをアメリカでも存分に見せ付けて来て頂きたいですね。「KENSO頑張れ」と念を送って会場を後にしました。

〜Setlist〜

麻酔 Part II
空に光る
太郎という生き方
精武門
あの頃はモビーディックと(新曲)
そこはまぁそこはかとなく(新曲)
美深
Gips
氷島
小口ソロ〜Tjandi Bentar
光田ソロ〜Echi Dal Foro Romano
願いかなえるこどもをつれてゆこう
月の位相1(小森ソロ)
月の位相2
心の中の古代
メドレー(Saturday in The Park〜We're an American Band〜Carry On Wayward Son)
〜Good Days Bad Days
 (Encore)
Release Yourself
禁油断者マドリガル(清水氏Acoustic Guitar Solo)