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Pat Metheny Group@Blue Note Tokyo/2009.1.3 (sat.) 1st Show 19:00〜

国内では初となるクラブ公演、Pat Metheny GroupのBlue Note Tokyo公演を鑑賞しました。
オープニングで「Phase Dance」のアルペジオが鳴り始めた瞬間、不覚にも涙がこぼれてしまいました。それほどまでに胸を打つ演奏で、新年最初のライブとしてこれ以上ない体験でした。最終日の8日も控えており、すでに期待が高まります。セットリストについては、「Tell It All」や「The Road To You」を聴けたのは嬉しかったものの、欲を言えば「Proof」の代わりに「Song For Bilbao」を聴きたかったところです。

まずBlue Note Tokyoの受付システムですが、以前のように整理券を受け取って受付を済ませた後、再び外に出られる方式に戻っていました。事前に分かっていればもっと早く行ったのですが、この方式の方が食事を済ませてから入場できるため、結果的には合理的だと思います。この日は整理番号25番で入場し、迷わずLyle Mays側の一段高くなった席を指定しました。

Lyleのブースは、ハウスピアノと思われるSteinwayにMoogのPianoBarを取り付けたMIDIピアノ仕様。セットリストに「Song For Bilbao」が含まれていなかったため、足元のボリュームペダルを駆使したレイヤー音色によるソロが見られなかったのは少々残念でした。ピアノ上にはKORG TRITON Pro、ラックにはKurzweil K2600R(おそらく)が設置され、ピアノのスレーブとして使用されていたように見えます。シンセ類のプログラム/シーンチェンジはPowerBook G4(だったと思います)で立ち上げたDigital Performerから行われており、シーケンスのスタートはPA側が担っていた可能性もあります。同期が使われていたのは「Are You Going With Me?」と「Last Train Home」の2曲でした。

客電が落ち、満員の拍手に迎えられてメンバーが登場。Patがギターを背中に回し、ホルダーにセットされたエレアコで「Phase Dance」のアルペジオを弾き始めた瞬間、来ると分かっていたにもかかわらず感情が一気に溢れました。滲んだ視界の先には、オートハープをかき鳴らすLyle Maysの後ろ姿。PMGの核となる2人と、その後に加わったメンバーが紡いできた歴史を追体験するような、不思議な感覚に包まれるオープニングでした。かつてOberheimで鳴らされていたシンセパッドの上昇ラインは、現在ではTRITONがその役割を担っています。

1stアルバムの曲順通りに「Jaco」へと続き、Rodbyの静かなベースラインから「This Is Not America」へ。ボーカルやオリジナルのシーケンスを排した、剥き身のインストゥルメンタル・アレンジが新鮮で、この曲が本来持つ美しさを改めて実感させられました。

「Tell It All」では、ピアノ右手上部に設置されていたオートハープと入れ替える形でパーカッションを用い、冒頭部分を演奏するLyle。ここはこうやって弾いていたのか、と妙なところに感心してしまいます。「First Circle」からの流れに胸を高鳴らせた聴衆も多かったはずです。Lyleの長尺のピアノソロを堪能でき、大きな満足感がありました。アウトロのペドロ・アズナールのボーカルラインは、Rodbyがアルコで再現していたように見えました(ピアノの陰でよく見えませんでしたが)。

「Are You Going With Me?」では、プログラムチェンジ直後のハーモニカ音色がやや大きく出てしまう場面もありましたが、Mac、ミキサー、モニターのキューボックスを手際よく調整するLyleの冷静さが印象的でした。この日の1stセットでPatがギター・シンセ(GR)を使用したのは、結果的にこの曲のみでした。

いつもステージを支える女性ギターテクニシャンの方が、今回はかなりスリムになっていて別人のように見えたのも印象的です。「So May It Secretly Begin」の途中でエレクトリック・シタールが運び込まれたことで、次が「Last Train Home」であることは誰の目にも明らかでした。シーケンスを用いながらも、4人だけでこのアンサンブルを生み出している現実を目の前にし、夢の中にいるような感覚に陥ります。中間部では思わず歌いそうになるのをこらえ、心の中で静かにメロディをなぞりました。

アンコールは「Minuano」。Patの「One, two, three!」というカウントから始まる瞬間の高揚感は格別です。オリジナルではマリンバが主役となる間奏部をLyleがピアノで奏でる場面では、観客全員が息を呑んでその一挙手一投足を見つめていました。思わず一緒に歌いたくなる、そんな空気が会場を包んでいました。

あれこれ書き連ねましたが、結局は「本当に素晴らしかった」の一言に尽きます。新年最初のライブとして、これ以上ない体験でした。財布が許すなら、残りの全公演を観たかったところです。

Setlist(2009.1.3 1st show)

  1. Phase Dance
  2. Jaco
  3. This Is Not America
  4. Tell It All
  5. Are You Going With Me?
  6. The Road To You
  7. So May It Secretly Begin
  8. Last Train Home
  9. Proof
  10. Minuano(encore)

Member : Pat Metheny, Lyle Mays, Steve Rodby & Antonio Sanchez