先日BNT公演を見たToninho Horta繋がり? ということでToninhoとも親交のある矢野顕子さんです。先週はフジロックにも出演されたとか。 実は矢野顕子って昔は苦手だったのですよね。かなり個性(アク)の強いアーティストというもありますが、Kate Bushは好きだけど矢野顕子はキライ、みたいな… まぁ中二病の一種みたいなものですw
切っ掛けはやはりPat Metheny経由だったりするのですが、お目当ての楽曲以外でも彼女の独特の世界に魅力を感じるようになりました。歌声とピアノ、歌詞が密接に絡みあった矢野ワールドは、自身の作詞/曲だけに留まらず、他アーティストとのコラボレーションにおいても、彼女の世界観とミクスチャーされて再構築されることで、新たな魅力を魅せてくれるのですよね。 自分の場合、矢野さんのアルバムはPatやToninhoが参加してるものを中心に聴いているので、恐らく偏ったセレクトになっていると思うのですが、そんな中でも外せないのがやはりこれ。
- アーティスト: 矢野顕子,Pat Metheny,Peter Erskine,Charlie Haden,坂本龍一,糸井重里
- 出版社/メーカー: ミディ
- 発売日: 1993/09/21
- メディア: CD
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Pat Metheny & Lyle Mays名義によるECM時代の名作「As Falls Wichita, So Falls Wichita Falls」に収録されている同名曲のカバーです。この楽曲については今更僕がとやかく語るようなもので無いのですが、PatとLyleの出会いの証とも言えるこの曲を、矢野さんは見事に自分の世界で再構築しています。 PatのアコースティックギターとLyleの幻想的なシンセサイザーを、自らのピアノと歌(ボイス)に置き換えてのアレンジは、オリジナルのスケール感を損なうことなく、かといって単純なカバーでなく実に感動的。 Peter ErskinとCharlie Hadenの好サポートも光りますが、後半に登場するPatの流れるようなソロは、作曲者としてこの素敵なカバーを讃え、感謝しているかにも聴こえます。
この1曲の為だけにアルバムを聴く価値は充分にあると断言できますが、最後まで緩やかな流れで味わい深く聴かせてくれる作品、「Little Girl, Giant Heart」の存在感がアルバムのラストをぐっと引き締めています。
個人的に矢野顕子のCDは、家でくつろぎながらBGM的に流していることが多いのですが、難しいことは考えずにボーっと聴いてるのが心地よいですね。矢野さん独特の歌詞世界が好きな方も多いと思うのですが、僕はどちらかというと歌をに耳を傾けるというよりも、あくまで声を楽器のひとつとして聴いている感じでしょうか。