80年代後半に登場し、確かなテクニックとキャッチーな楽曲で人気を博したWingerによる、実に13年ぶりの再結成アルバムです。デビュー作は当時かなりのセールスを記録しており、LAメタル末期を代表するバンドのひとつと言えるでしょう。
産業ロック的な質感を残しつつ、エッジの効いたテクニカルなギター、ひと癖あるリズムセクション、そしてポップな歌メロディという要素は、今でも個人的に好みの組み合わせです。今回の再結成では、Kip Winger、Reb Beachという中心人物に加え、元Dixie DregsのRod Morgensteinが参加している点もあり、期待は自然と高まっていました。
実際に一通り聴いてみた印象は、正直なところやや微妙です。全体的にミドルテンポで、ダークかつ重めの楽曲が多く、もし3作目『Pull』の直後に発表されていたのであれば納得できたかもしれませんが、今回聴きたかったWingerの音像とは少し異なります。楽曲自体に良いメロディはありますし、演奏やアレンジも一筋縄ではいかない点はさすがですが、今あえてこのアルバムを繰り返し聴きたいかというと、そうは感じられませんでした。
Wingerらしい美しいメロディのバラードが見当たらない点も残念で、もう少し明るく華やかなハードポップ路線を期待してしまったのも事実です。もっとも、バンド側からすれば過去のイメージを求められ続けるのは本意ではないでしょうし、その点は理解できます。それでも、「かつて好きだったHRバンド」に久しぶりに触れると、どうしても当時の魅力を重ねてしまうものです。
気が向いたら改めて聴き直すことはあるかもしれませんが、現時点では積極的にプレイリストに入れたい作品ではありません。ただし、Reb Beachのギタープレイは相変わらず聴きどころが多く、ギターファンであれば一定の満足感は得られるでしょう。
それにしても、このジャケットデザインについては首をかしげてしまいます。店頭で見かけた場合、手に取るかどうかはかなり迷いそうです。
