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『Full Moon』Full Moon

フル・ムーン

フル・ムーン

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今週末からMichael Thompsonと共に来日公演を行うBuzz Feitenが、1972年に発表したFull Moon唯一のアルバムが本作『Full Moon』です。
Full Moonという名前から、80年代初頭の『Larsen Feiten Band』を思い浮かべる人も多いと思いますが、実はその10年も前に同名のバンドが存在しており、こちらが“オリジナル”のFull Moon。もちろん、Buzz FeitenもNeil Larsenも在籍しています。

フルムーン (特典なし)

フルムーン (特典なし)

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比較的最近までCD化されておらず、私自身も紙ジャケCD化されてからようやく手に入れた一枚ですが、長らく“まだ見ぬ幻の名盤”として語られてきた作品でもありました。

80年代のLarsen Feiten Bandは、一流のインストゥルメンタリストたちによるジャズ/フュージョン的なテクニカルさに、ソウルやファンクの要素を程よくブレンドした、洗練されたAORサウンドで知られています。一方、この『Full Moon』はその原型というよりも、よりR&Bやソウルミュージック色の強い内容で、ブルーアイド・ソウルの原型と呼んだ方がしっくりくるかもしれません。

黒人ドラマーのPhilip Wilsonがボーカルを取っている楽曲もあり、その意味ではアーバンソウル的な側面も感じられます。
AORやフュージョンといった言葉がまだ生まれる前の音楽ですが、後年それらのジャンルを好んで聴くリスナーに強く訴えかける要素は随所に散りばめられていますし、純粋にR&B/ソウルの作品として聴いても十分に通用する完成度の高い名盤だと思います。

何よりも特筆すべきは、演奏のカッコ良さ。
Neil LarsenのRhodesを中心としたキーボードプレイは、ただただ最高の一言で、バンド全体のグルーヴを力強く牽引しています。この時代、このメンバーだからこそ生まれた音だと感じさせられます。

ちなみに紙ジャケ盤にはボーナストラックとして2曲が追加収録されています。
1曲はDave Holland作曲(もちろんベースも本人)で、Randy Breckerがゲスト参加した、電化マイルスを思わせるジャズロックナンバー。
もう1曲は、その名も「Jam」と題された文字通りのジャムセッションで、どちらも10分を超える濃厚な演奏が収録されています。ここにグッと来る人も、きっと少なくないはず。

Larsen Feiten Bandが好きな人はもちろん、AOR、フュージョン、ブルーアイド・ソウル好きにもぜひ一度聴いてほしい、時代を超えて輝く一枚です。