http://www.japanarts.co.jp/concert/concert_detail.php?id=38
20日、春分の日に作曲家、吉松隆氏の還暦記念コンサートに行ってきました。以前、サントリーホールで「サイバーバード協奏曲」を聴いたのをきっかけに須川展也氏の録音を1枚聴いた以外は、「タルカス」と「平清盛」ぐらいしか知らない完全なにわかですが、そんな知ってる曲が全て演目に入ったコンサートということでとても楽しみにしておりました。更に当日のコンサートにはキース・エマーソンが鑑賞のために来日し足を運ぶとのこと。数年前の来日公園が、キースの体調不良で中止になってしまったままだったので、久々に御大の元気な姿を見ることができそうです。
オペラシティにコンサートを見にくるのは2008年のスティーブ・ライヒ以来ですが、この会場、どの位置から聴いてもなかなか音響が優れているので、今回は3階席の正面側1列目をチョイス。結果的に演奏者の姿もよく見え正解だったと思います。
プログラムは3部構成で、第1部はピアノやチェロなど、室内楽的なフォーマットの楽曲群、第2部は東京フィルによるオーケストラでサクソフォン協奏曲である「サイバーバード協奏曲」そして、20代の若き吉松氏によるデビュー作「ドーリアン」が演奏され、第3部は「平清盛」そしてクライマックスに「タルカス」という内容です。
演目前半は初めて聴く曲も多かったですが、叙情的なメロディ、ピアノ曲での目の覚めるようなコード感、オーケストラでの破綻しないスレスレの緊張感や、ロックにも通じるような激しいリズムなど、初聴の楽曲も含め4時間弱の長丁場でしたが、どれも楽しんで鑑賞することができました。期待していた第3部が素晴らしかったのはもちろんですが、まるでジャズコンチェルトのごとくな「サイバーバード協奏曲」は相変わらず格好良かったですし、指揮者の藤岡幸夫氏が「春の祭典が風邪をひいたような…(笑)」と冗談めかして紹介していた「ドーリアン」、正にその通りの雰囲気で個人的にはヒナステラっぽくも感じたり、吉松氏にとってはストラヴィンスキーでなくキースの影響なのだとか(藤岡氏談)。派手な金管とパーカッションの歯切れの良さから繰り出される変拍子には、会場に多く詰めかけたであろうプログレファンも大満足だったかと?(笑)
「タルカス」の演奏後にはずっと吉松氏と並んでコンサートを鑑賞していたキース共々ステージに上がり満場の拍手の中、まさかのキースがピアノの前に座って弾きだしたのは「タルカス」の10拍子(5拍子)オスティナート… しかし右手が弾いたのは「Happy Birthday」(笑) その後、東京フィルによる「Happy Birthday」のサプライズもありました。コンサート自体もとても素晴らしかったですが、舞台上の演奏者から聴衆まで、吉松氏を祝福する暖かい空気に包まれた素敵なコンサートでした。
会場で記念発売されていた吉松氏の自伝「作曲は鳥のごとく」を購入。
〜Setlist〜
- 【第1部】
- 【第2部】
- 鳥は静かに…(1998)
- サイバーバード協奏曲(1994)/(サックス:須川展也、ピアノ:小柳美奈子、パーカッション:小林洋二郎)
- ドーリアン(1979)
【コンサートレポート】吉松隆 還暦コンサート、超満員のオペラシティから大歓声(BARKS)
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