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音楽の話はここで書くかもしれません

Anna Maria Jopek@Blue Note Tokyo/2009.5.16 Sat. 2nd Show 21:30〜

行ってきましたヨペックさん。いやー想像を遙かに超える素晴らしいライブでした。ここ最近でここまで強烈にインパクのあるライブを見たのも久々のことですね。終演後しばし興奮が収まりませんでしたよ。
http://www.bluenote.co.jp/jp/movie/anna_maria_jopek/
BNTのブログに初日のダイジェスト動画がアップされてますが、2ndでは演奏してない曲があるので1stのステージでしょうかね。あれだけの素晴らしい内容でセットリストが違うなら、奮発して1stも見ておけば良かったなーと思ってしまう位でした。

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    • Anna Maria Jopek(vo)
    • Marek Napiorkowski(g)
    • Robert Kubiszyn(b)
    • Pawel Dobrowolski(ds)

(備忘録)
受付の1時間位前から並んで整理番号は7番の入場。なかなかロビーに人が集まらないのでガラガラだったらどうしようかと、余計な心配に気をもみましたが、開演までには6〜7割位は席が埋まっていたでしょうか。センターの2番目のテーブルよりの観賞、まさに贅沢なひとときでした。事前に軽く食事を済ませていましたが、期間限定でポーランド料理のメニューがあるということで、“ピエロギ”という豚肉とキャベツの水餃子的なものと、“ジューレック”というスープを注文。ピエロギはあっさり目の水餃子といった感じ、酢醤油で食べたい、とか言ったらダメですねw ジューレックの酸味は何かと思ったらサワークリームだったみたい。ソーセージと半熟のゆで卵(温泉卵?)が入っていて、卵を一緒に食べると酸味が若干マイルドになる感じ。初めての味覚ですが、違和感なく頂くことができました。

さて、ステージを見るとセンターに不思議なことにマイクスタンドが2本(後述)、奥にドラムセット、上手にアコースティックベースとエレアコベース用のアンプ、下手にはスツールが2脚あって、ひとつはギタリスト用、もう1脚にヨペックさんがたまに腰掛けて歌います。事前のインフォメーションで、てっきりヨペックさんがピアノも弾くのかと思っていましたが、ステージ下に片付けられているのを見て、ちょっとガッカリ、、、してしまったのですが、開演してほんの数分でそれは杞憂だったと。もうね、バンドとヨペックさんのボーカルのアンサンブルの厚みが半端じゃない。バンドの演奏が確かなのもありますが、Jopekさんの声がなんというか「凄い」としか表現できないくらい凄いw 近作からはクールで大人しいイメージもあったヨペックさんですが、あくまでそれはほんの一面。静かなウイスパーから、裏声を絶妙に織りまぜた*1伸びやかなロングトーン、パワフルなハイトーン…といくつもの声質を変幻自在に使い分け、驚くほど正確なピッチで印象的なスキャットを自由自在に繰り出します。透き通るようかと思えば、かつコード感があるかの厚みを感じさせる歌声を聴いて、これはピアノが無くても全然大丈夫、と大いに納得。安直な言葉で感想を言うなら、とてつもなく歌の巧い人を見た、と。従来の自分の価値観だけでは語れない、新感覚の技巧を加味した巧さを見たといった感じでしょうか。
更に彼女の前に用意された2本のマイクスタンド、片方は通常のマイクですが、片方は足下のボーカルプロセッサ(TCのVoiceLiveを使ってたのかな)で、リアルタイムにハーモニーを付けたり、オクターブを重ねたりと、2本のマイクを両手に持って使い分けたり、時に一緒に使ったりと、CDで聞いていた多重ボーカルを1人で再現してしまうテクニックにも驚かされました。
そんなヨペックさん、妖艶という言葉すら似合いそうなクールビューティなルックスながら、歌いながらの仕草など時にとてもチャーミング。ライブ序盤、即興メロディに乗せて、日本語でメンバー紹介などをするのですが(↑BNTサイトの動画にそのシーンがあります)、「イケメンバンドを紹介します〜♪」に一気に会場は和やかなムードw 「今日はポーランドの心を歌います」「言葉の壁を越えて感じてください」「私の世界へようこそ…」という言葉もありましたが、正にポーランド語の歌詞が一切分からない自分にも、言葉の壁を越えてヨペックさんの歌がビシビシと伝わってきます。技巧的な部分の感動だけでなく、歌や音楽の持つ「伝える力」にも存分に浸ることができ、個人的にPat Methenyナンバーの「Follow Me」を事前に期待していて実際にそれを聴くことも出来たのですが、その曲を聴く前の段階で大満足でしたし、むしろセットリスト内容の違う1stも見ておけば…、と軽い後悔の気持ちすら残る、素晴らしいAnna Maria Jopekさんの来日公演でした。
バンドの方も印象深かったので、もすこし加筆予定?(つづけ?)

*1:説明が難しいのですが、日本の民謡を思わせるような不思議な倍音成分を含んだ発声も…。