前置き(前回記事)が長くなりましたが、90年代のシンセサイザーRoland JD-800の音源部をコンパクトなボディに復刻した「Roland Boutique JD-08」を購入しました。

Roland Boutique JD-08とK-25mを購入
JD-08が届きました。ソフトシンセのような外箱ですが中身はハードシンセ。


300×128×49mm、重量840gと片手でも持てるコンパクトさ。電源は電池かUSB給電なので、保証書の他に付属品などは特にありません。

背面には電源スイッチ、USB-C端子、ツマミタイプのボリューム(フロントパネルのスライダーにして欲しかった…)、ステレオミニのヘッドホン端子とラインアウト、MIX IN、MIDI端子は標準タイプのOUTとIN。

MIX INに入力した音は本体の音とミックスしてヘッドホンとアウトプットから出力されます。JD-08とシンセもう1台のサブミキサー代わりになるかと思ったのですが、ミニプラグを刺した瞬間(ソースに関わらず)小さなホワイトノイズが出力に乗るようです。スタジオ練習ぐらいに使うのはいいですが、録音やライブには使うのはちょっと厳しいかも。
単3電池4本、或いはUSBバス電源(500mA)で駆動します。

ラインアウトにケーブルを接続してない場合、内蔵スピーカーが鳴ります。

フロントパネルはJD-800のパネルとスライダーをいい感じに再現していますが、LFO1/2やエンベローブ(ピッチ、フィルター、アンプ)が1つにまとめられていたりなどそれなりに簡略化されています。最も大きいのはディスプレイが7セグメント4桁のLEDしかないこと。LED表示もひと目で分からないものも多く、過去のJD-800と同じ感覚で使えるか?と言えば全然違います(スライダー部分に関しては基本的なアナログ系シンセサイザーの操作なので、JD特有という訳でもない)。
正直に言うとJD-800を使っていた当時も積極的にゼロからの音作りをした訳でなく、プリセットをベースにお気に入りの音色をいくつか作って保存していた程度(バンドで使いやすい音だったり、それこそDream TheaterのKevin Mooreの音を再現したりなど)。

パネル右のEXT CLK INは外部からのクロック信号で内蔵のステップシーケンサーを同期させる端子。Roland Boutiqueにはステップシーケンサー機能がありますが、自分は演奏用のシンセ音源として使うのでシーケンサーを使う予定は今のところありません。
JD-08の音色、操作性
音についてですが、記憶のJD-800そのままの音が出ます。Roland Boutiqueシリーズはモデリング技術によるエミュレートだと思われますが、当時使っていたJD-800実機との違いが記憶レベルでは分からないぐらい!?
プリセットを一通り聞いて見ても同じ音だ……としか思えませんでいた。Roland社なので同じサンプリング波形が使えるにしても、DAコンバーターや使用パーツは全く別物であるはずが、よくここまでそっくりな音が鳴るなと関心します。
有名なプリセット53番「Ac.Piano 1」も、特徴的なキラキラした部分だけでなく、ベロシティスイッチが切り替わる前の少しこもった感じなどまさにアレ。最近のRolandシンセにプリセットされてるJD Pianoの音はキラキラした成分だけをサンプリングしたような音色で、JD-800とは結構異なる印象でしたが、JD-08はより本物感があります。

操作性については、元々のJD-800自体が見た目ほど直感的な操作がしやすかった訳でもないのですが、さらにスライダーやディスプレイを簡略化しているので、取説を読まずにいきなりアナログシンセのように使えるか?といったらそうではありません。
PCのエディター等に対応していたらありがたかったですが、それではBoutiqueのコンセプトと異なってしまうのか。ソフトシンセ版のJD-800とのSysExによる音色互換などあればいいのですが、取説のチャートを見る限りSysExは送受信とも非対応のようです。
専用ミニ鍵盤、K-25mも買ってみた
さて、Roland Boutiqueシリーズには専用の鍵盤「K-25m」が別売りで用意されています。

JD-08はあくまで音源だけを使う予定なので鍵盤は不要ですが、K-25mを装着した見た目が結構カッコいいので鍵盤も購入しました。JD-08とは外箱などのデザインが統一されていてなかなかいい感じ。


取り付けはJD-08側のツメを引き出して、K-25m側の穴に固定し、K-25m側のフラットケーブルをJD-08側のコネクターに装着します。このフラットケーブルの差し込みが少しコツが必要で、噛み合わせの悪い状態で無理やり押し込むとピン折れの原因になりかねないので注意した方がいいかも(慣れればスッと差し込めるのですが)。





K-25mを装着するとJD-08側をフラットにした状態から2段階に角度を付けて立ち上げることができます。MINIMOOG的な見た目になるので、結構カッコいいかも。


鍵盤は2オクターブのミニ鍵盤。結構弾きやすいですが、ミニ鍵盤故かベロシティはやや強めに出ます。あくまで鍵盤が付くだけで、ピッチベンドやペダル類が使えるようになる訳でもなく、オクターブの切り替えもJD-08側で行う必要があります。

K-25mの重量は実測677gでJD-08(本体のみ実測829g)に装着するとトータルで約1.5kgになります。鍵盤があると見た目はいい感じですが、バンドで使う際は荷物になるだけですし、自宅でもK-25mで演奏することはないので結局外した状態で使っています。
家では譜面台に乗せているので、K-25mを付けていても弾くことはできません。

K-25m、何か別のBoutiqueを買って活かしてもいいかな…… JD-08と同じタイミングで発売されたJX-08(JX-8P)は結構気になるかも……。
ファームアップ失敗で文鎮化
既に解決していることですが、JD-08が届いてから数日後。手元のJD-08は最新ファームウェアでなくことに気づいて、ファームアップ作業(MacBookProとUSB接続)を行ったのですが、どうもその作業に失敗したようで文鎮してしまいました。ファクトリーリセットのコマンドを行っても復活することなく、Rolandに修理に出すこととなりました。
メーカー診断では「本体内データ・ストレージの破損」ということで、基盤交換されて戻ってきました。修理費は20000円を越えていましたが購入直後ということで無償対応でした。ただし、次回同様の故障となった場合は保証期間内でも有償修理になるそうです。
作業を失敗したのはこちらですが、一応手順には従って行ったつもりなので、今後自分で同様の作業を行うのは恐怖でしかありません。とりあえず今回は最新ファームになって戻ってきたので、今後大幅なファームウェア更新が発生しないことを祈ってます。
バンドで使ってます
購入直後に故障させてしまったので、すぐにはバンドで使えませんでしたが、次回のライブ(6/7)でJD-08を使うことにしました。K-25mも付けて……と思ったのですが、結局荷物になるのでリハスタ練習にはJD-08のみを持ち込んでます。

コントロールをするのはいつも使っているCLAVIAのNORD STAGE 2 SW73。NORD STAGE 2にはEXTERN(エクスターナル・セクション)という外部MIDI機器をコントロールする機能があり、鍵盤上のゾーン、ボリューム、プログラムチェンジ、MIDI CCなどを個別に設定、NORD STAGE 2側の音源と並べて使うことができます。
本当は色々な音色を使いたいところですが、プログラムチェンジ周りで少々NORD STAGE 2との動作に齟齬があるようで(正しく可能性も)、今回は例の53番ピアノ(Ac.Piano 1)だけを使うことにします。NORD STAGE 2内蔵のピアノ音源の方がアコースティックピアノ的ではありますが、JDピアノの音色の方が、90年代のDream Theater曲を演奏するにはやはり相性が良いのです。
ストリングパッド系の音はNORD STAGE 2で重ねています。
またリハスタ練習の際は荷物を少しでも軽くしたいので、所謂シールドケーブルは使わず、安価なRCA/ステレオミニ端子ケーブルを使い、NORD STAGE 2のアウトプットをJD-08のMIX INに差し、JD-08でミックスした音をミキサーに接続しています。

次のライブではやりませんが、Learning to LiveのイントロシンセなどもJD-800を使ってると思うので、プリセットをベースにいじるとそれっぽい音が作れたりします。
JD-08でLearning to Liveのイントロシンセ再現。
— OKP@音楽垢 (@okprogre) 2026年5月9日
JD-800使ってたの20年近く前だし、ディスプレイがないので音作りがえらく面倒…。この音はプリセットA23を少しいじるとライブ版っぽい音ができた記憶があった🎹 pic.twitter.com/RGUH3JQVC5
今のバンドはシンプルにシンセ1台で機材を完結させておきたかったのですが、久々に使うJD音源がなかなかに気持ちよく、しばらくはJD-08も同伴させる予定です。


