90年後半にはJeff BeckのツアーメンバーだったこともあるJenniferですが(アルバム制作にも参加)、本作はそんなJeff Beckからの影響をかなり強く感じさせる作品。全体的にマシンビートが中心で、アフロ系のリズムループやドラムンベース的なビートをボトムに、インプロヴィゼイション的なJenniferのギターを乗せた曲が多い印象。
「Who Else!」「You Had It Coming」(「Jeff」)といったJeffのデジタル3部作辺りの作風を彷彿とさせる部分も多く、ギタープレイにおいてもハーモニクスやアーミングを交えた歌うようなフレージングなど実にJeff的。かつてのようなシュレッドプレイは控えめですが、時にいかにもJenniferなタッピングが飛び出したりと、この辺りの自在な緩急は流石ですね。
#05の「Fearless」はJenniferには珍しいアコースティックギター曲で、端正なカントリー調からMichel Hedges彷彿の見事なタッププレイと、エレキのタッピング女王はアコギを弾いても上手い。YG誌のインタビューでは女流ギタリストのKaki Kingにインスパイヤされた、なんて話してましたね。デジタル色の強いアルバム中いいアクセントになっています。