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音楽の話はここで書くかもしれません

バンドキーボードの話〜キーボーディストの足元(ペダル)について

長らく放置気味なこのブログですが、今年に入ってバンド活動(社会人の趣味コピーバンド)が続いているので、その辺の話題をもう少し書いてみようと思います。

軽音的なバンド楽器の中では、やや地味というか存在感の薄い(?)キーボードという楽器。どんなことをしているか?あまり知られてないような気がするので、そんなバンドのキーボード(キーボーディスト)にまつわるネタを取り上げてみることにします。

最初のテーマはいきなり地味ですが足元の話。エフェクターボードに個性が現れやすいギタリストに比べると、とてもシンプルというかなんならペダル類を使わない人すらいる、キーボーディストの足元にあるペダル類について。

シン・東京ザヴィヌルバッハ(左から坪口昌恭、壷阪健登)
Moon Safari サイモン・オーケソンはサステインペダルのみ

もちろんキーボードだって外部エフェクターを使っていいですし、昔のエレピ(電気ピアノ)やアナログシンセサイザーはエフェクターを繋いで音作りをすることは普通でした。ただし現代のシンセやステージキーボードにはたいてい内蔵エフェクターが搭載されていて、音作りは楽器内で完結することがほとんどです。

アナログシンセにコンパクトエフェクターをつなぐこともある

ではキーボーディストの足元はどうなっているか?というと、例えば私の場合はこんな感じです。キーボード1台に対してペダルが2個。シンプルですが、どちらのペダルも結構重要です。左側のペダルは「サステイン(ダンパー)ペダル」。見た目の通りピアノのダンパーペダルと同じで、踏むことで弾いた音の余韻を伸ばす効果があります。ピアノやエレピの演奏には欠かせないペダルですね。

ピアノのようには減衰しない音(ストリングス系など)に使った場合は、弾いた音を鳴らしっぱなしにする効果(ホールド)があります。つまりペダルを踏んだら鍵盤から手を離しても音を鳴らし続けることができます。
オルガン系の音色(ハモンドオルガン等)を演奏する場合は、本物のオルガンの構造上ホールド機能はないので、オルガンらしい演奏を目指すならサスティンペダルは使わないのが一般的。ただし、敢えてシンセのオルガン音色なりの弾き方だったり、演奏上の工夫として使うことは自由です。

サステインペダルは構造的には「アンラッチ式のフットスイッチ」と同じものなので、ペダルの形状に拘らないならフットスイッチを使っても全く問題ありません。

フットスイッチには極性(オープン/クローズ)があって、ヤマハやローランドのキーボードはクローズ、コルグはオープンとメーカーによって異なります。極性が逆のペダルを使うと、踏んでいない際に音が伸びてしまったりと不具合があります。この極性はペダル側、楽器側で切り替えられたり、楽器が自動判別する機能などもあるので、このあたりは自分が使う製品によって選択することになります。

極性を切り替えられるペダル

シンセやキーボードによっては複数のフットスイッチ端子があり、ダンパー効果の他に音色切り替えやタップテンポ、シーケンサーのスタートストップ等といった様々な機能を割り当てられるものもあります。
私の使っているキーボード(CLAVIA / NORD STAGE 2 SW73)では、ピアノやシンセ系の音ではサステイン、ハモンドオルガンの音ではレスリースピーカー(シミュレーター)のスピード切り替えに割り当てています。

もうひとつのペダルは「エクスプレッション(コントロール)ペダル」。言葉の意味的にはエクスプレッション(抑揚、表情)をコントロールするペダル。鍵盤のタッチで音の強弱が変わらないオルガンの音量をコントロールするエクスプレッションペダルが語源でしょうか。楽器のマスターボリュームではなく演奏中の音量(CC11やCC7)をコントロールする「ボリュームペダル」として動作するのが基本ですが、楽器側の設定によってボリューム以外の要素をコントロールするペダルとして使う場合もあります。ちなみにヤマハのエクスプレッションペダル(FC7)は「フットコントローラー」と呼ばれています。

ペダルによってストロークの幅、踏み心地はかなり異なる

NORD STAGEの場合はエクスプレッションペダルでシンセのフィルターやエフェクト量などをコントロールしたり、ペダルを踏むことで音量を下げることも可能なので、ピアノの音を弾きながらペダルを上げるとストリングスの音が足されたり、或いはピアノからストリングスの音に徐々に切り替わるような設定が可能。演奏で両手が塞がっている際の音色切り替えに、この機能はよく使います。

ということでペダルはたった2個でですが、実際にはサステイン、ボリュームの他に、エフェクトや音色の切り替えなども同時に行える設定になっています。

実際に使っている製品ですが、自宅で安定したタイプのペダル(M-AUDIO SP-2 / BOSS FV-500L)を使ってますが、リハスタの練習やライブの際は、荷物を減らしたいのでコンパクトなフットスイッチとペダルを使っています。

先日の鹿鳴館でのライブ時の足元

ダンパーペダルはヤマハの小型のフットスイッチFC5。エクスプレッションペダルはBOSSのEV-30というモデル。以前はローランドのEV-5というケーブル一体型で樹脂製の軽量ペダルを使っていましたが断線しやすく(2回壊れた)、本番当日に壊れたりしたらたまらんと、金属製ですが小型のEV-30が登場した際に切り替えました。レンチでトルク調整もできて(FV-500Lだと裏にトルク調整用のネジがある)、かなり気に入ってます。

全てサステインペダル、フットスイッチとエクスプレッションペダル