ウドーストック2日目。
前日から少しメンバーが入れ替わりつつも、3人で参加しました。東名の渋滞に巻き込まれてしまい、御殿場ICでの待ち合わせに30分ほど遅刻。小雨の降るなか、開演時間を過ぎてからの入場となりました。誘導されたのは前日よりも手前のドリフトコース側でしたが、初日よりも客足はさらに鈍いようです。前日は曇天でしたが、この日は小雨と曇りの繰り返しで、非常に霧の濃い一日でした。
早速ビールを飲みつつモビリタステージへ向かうと、初日以上に衝撃的な光景が広がっていました。ステージ手前に集まる数百人の観客と、そこから20メートル近く無人地帯を挟んで陣取るシート&椅子軍団。観戦スタイルの棲み分けはできていますが、いくら何でも間が空きすぎではないでしょうか。動員も昨日の半分ほどしかないような雰囲気です。
- FUZZY CONTROL
Sebastian Bachまでの待ち時間に、初めてワープドステージへ足を運びました。手数王こと菅沼孝三さんの娘さんが在籍するバンドということで、1曲半ほど鑑賞。父親譲りの確かなテクニックと、髪を振り乱しての大きなアクションが印象的なドラムでした。比較的ストレートなロックでしたが、ツインペダルでのバスドラワークなどには一癖あるこだわりを感じました。
- Taylor Hawkins & The Coattail Riders
Foo Fightersのドラマーによるバンドです。後になって、もう少ししっかり見ておけばよかったと軽く後悔しました。なぜか「Hotel California」を演奏していました。
- Sebastian Bach
初日の教訓からこの日は小さなパイプ椅子を持ち歩くことにしました。PA手前に椅子と荷物、カッパを放置して前の方へ移動。もみくちゃになる一歩手前の位置から、バズのステージをたっぷりと堪能しました。彼はまさに生粋のロックスターですね。最高に楽しかった。
セットリストは8割がSkid Rowのナンバーというお祭り。さすがバズ、空気の読める人ですね。冒頭から「Slave to the Grind」や「Big Guns」が演奏されると、会場は大盛り上がり。マイクをブンブンと振り回すパフォーマンスや客煽りに、一瞬で10数年前にタイムスリップしたような感覚になりました。「18 and Life」を聴いていた頃は、自分はまだ18歳にもなっていなかったことを思い出します。
Jackson Vを構えたギタリスト、Metal Mike Chlasciakが奏でる12弦ギターに乗せて「I Remember You」が始まった時には、大合唱しながら当時の記憶が様々に蘇りました。バンドメンバーもオリジナルのアレンジに敬意を払った演奏をしてくれており、好印象です。フレットレスベースを操るSteve DiGiorgioも、テクニカルなソロを披露するなど見どころが多かったです。
ラストはたっぷりと焦らしてからの「Youth Gone Wild」。会場一体となって「Skid!! Row!!」と叫ぶ瞬間は格別でした。間奏ではバズがPAスピーカーによじ登るなど、最後まで全力で楽しませてくれました。
- The Pussycat Dolls
このタイミングで、フードコートのタコス屋にて「ザ・プレミアム・モルツ」を発見しました。500円という価格設定なら、初日からこちらを飲んでいればと悔やまれます。
プッシーキャット・ドールズの方々は、歌もダンスも本格派で非常に格好良かったです。タイムテーブルの都合上、ランチタイム扱いになってしまい観客が減ってしまいましたが、手抜きなしのパフォーマンスを見せてくれました。ステージ袖ではバズのバンドメンバーたちが熱心にステージを見つめていたのも印象的です。
- Tribe Of Gypsys
スクウェアステージへ移動しましたが、霧が濃くてステージがよく見えません。ようやく近づいてみると、観客は200人に満たないほどでした。そんな状況でも、彼らはVan Halenの「Ain't Talkin' 'Bout Love」を演奏していました。 Roy ZのギターはSantanaをよりテクニカルかつ端正にしたようなスタイルで、なかなか良かったです。予習段階ではあまりハードでないラテンロックという印象でしたが、実際にはメタル寄りの楽曲も多く、ボーカルもパワフルで格好良かったです。
- Porcupine Tree
お待ちかねのポーキュパイン・ツリーです。さらにお客さんが減ってしまったのは寂しい限りです。セッティングをメンバー本人が行っているのを見て、少し複雑な心境になりました。キーボードのRichard BarbieriさんはV-SynthやVirus Indigoなどを使用されていましたが、演奏中に配線を確認するなど、環境が整っていない様子が見受けられました。
リーダーのSteven Wilsonさんは、PRSにBad Catアンプという組み合わせ。もう一人のギタリストも同様の機材でした。このバンドはアンサンブルが素晴らしいだけでなく、非常に音が良いのが特徴です。楽器の分離も良く、特にスネアの抜けの良さには非常に惹かれました。演奏された半分以上が初めて聴く曲でしたが、緻密なアンサンブルとメロディのクオリティの高さに、すっかりお気に入りになってしまいました。
そういえば、下手側のギタリストが使うPRSはアウトプットがダブルになっていました。ギターを持ち替えずにエレアコのようなサウンドが出ていたので、ピエゾ内蔵だったのかもしれません。
- Paul Rodgers
とにかく格好良かった。半分ほど見届けてから、再びスクウェアステージへ移動しました。
- Steve Vai
途中からの鑑賞です。この日見たスクウェアステージの中では一番の動員でしたが、それでも数百人単位といったところ。 髪をスッキリと短くしたVaiさんは、どことなく私の友人に似ていて親近感が湧きます。なぜか黒のロングスカートを履いての登場でした。 音の分離は昨年のG3よりも断然良く、Tony Macalpineのギターもしっかりと聴き取れました。パフォーマンスも素晴らしく、当初はスルーする予定でしたが、今回のVaiは見ておいて正解でした。「Answers」などの懐かしい楽曲を聴けて満足です。Billy Sheehanのスラップは少々微妙に感じる場面もありましたが(Niacinだともっと落ち着いている印象なのですが)、ラストはお約束の「四人羽織」パフォーマンスで締めくくられました。
この後、閑散とした物販ブースに立ち寄ったところ、2万9千円の折り畳み自転車は2日間で3台売れたそうです。
- KISS
開演が遅れていたようで、最初から見ることができました。 しかし、ここに来て妙に音が小さかったのが気になります。インターネット上の掲示板などでは「雨でスピーカーが飛んだ」という噂もありましたが、確かに一部のスピーカーしか鳴っていないような心もとない音量でした。最初は中音(ステージ上の音)だけが聴こえているのかと思ったほどです。超ド派手なロックショーだっただけに、最高の音響で聴きたかったというのが正直なところですが、それでも彼らのステージそのものは圧巻でした。
そしてこの日も終演後には、霧の中から音だけが響くシュールな花火大会となりました。前日の経験を生かして、駐車場の出口が混雑し始める前に会場を後にしました。

ウドーフェスは、観客動員数だけを見れば興行としては失敗だったのかもしれません。しかし個人的には、このようなスタイルのフェスを待ち望んでいました。「快適な郊外型」「ビッグネーム中心」「週末開催」「大人がメインターゲット」といった要素が揃っており、2日間とも心から楽しむことができました。
現在は「不便さも楽しむ自然派のフェス」から「都市型の日帰りフェス」まで選択肢は多いですが、自分にはピンと来ないものがほとんどでした。不便を楽しみたいのなら音楽フェスである必要はありませんし、お祭り気分を味わうには都市型だと少し旅の情緒に欠けます。貴重な休日を丸一日使うのであれば、青田買いよりも安心のビッグネームが見たい……。そんな私のわがままな要求に、直球で答えてくれたフェスでした。
自分と同じように考える層は潜在的に相当数いると思っていましたが、蓋を開けてみればこの結果です。主催側も私も想定していた以上に、かつてのロック少年少女やギターキッズたちの腰は重くなっていたのかもしれません。市場として期待されている「オヤジロック世代」の心に響ききらなかったのは、何かが足りなかったのでしょう。 一方で、私と同じような20代から30代の後追い世代のフットワークが軽く、メインターゲット層と同じくらい会場にいたのが印象的でした。
ロックフェスの難しさを改めて痛感しましたが、他のフェスにはない大きな魅力があったことも確かです。正直に言えば、この動員数ゆえの快適さという側面もありましたが、このまま終わらせてしまうのは非常に惜しいと感じます。ぜひ来年以降の開催も願いつつ、レポートを終えることにします。