STB139の「Jazz Rock Super Drummer Series」第1弾として、超絶ドラマーのテリー・ボジオ率いるOUT TRIOが来日しました。実際にはギタリスト、アレックス・マカチェクの最新ソロアルバムに伴うバンドだったようですが、日本での知名度もありテリー・ボジオがメインとして打ち出されてしまった感じかもしれません。
会場は開演間近にはほぼ満席。当日券でも余裕だろうと高を括っていましたが、テリー・ボジオ人気を甘く見ていました。ちなみに、ジェフ・ベックの『Guitar Shop』時以来、18年ぶりの来日だったとのこと。私にとっては、今回が生のボジオ初体験となりました。
さて、ステージ中央にはテリーのドラムセットが鎮座しています。これでもフルセットからバスドラやシンバルを減らした「コンパクト・バージョン」とのことですが、左サイドにズラリと並ぶ大量のメロタム群、後方のグロッケンや銅鑼などのパーカッション類……。まさに「要塞」という言葉がぴったりの壮観なセットです。
テリーのプレイについては改めて語るまでもありませんが、これまでCDや映像で聴いてきたあの凄まじい演奏が目の前で展開される様には、ただただ圧倒されました。50代半ばとは思えない若々しいルックスの彼ですが、セットリストの半分以上は眼鏡をかけて演奏。あの難曲の数々は、楽譜を見たからといって叩けるものではないことは誰の目にも明らかです。
手足が入り乱れるドラミングは、素人目にも尋常ではないことをしているのが分かります。終始、正確無比、冷静、クレバーといった言葉が似合うブレのないスタイルで、情熱を叩きつけるタイプとは一線を画す、真のスーパードラマーでした。 そういえば、大半の曲でスネアのスナッピーをオフにしたまま叩いていたのが印象的です。チューニング高めのポコポコした音と、オープンリムのカンカンした音を使い分けていましたが、個人的にはもう少しスナッピーをオンにした音色でも聴いてみたかった気がします。
そして、今回の実質的な主役といえるのが、ギタリストのアレックス・マカチェク。30代半ばという若手ながら、この人もまた凄まじい技術の持ち主でした。プレイスタイルはアラン・ホールズワース直系で、使用ギターもスタインバーガーのGMタイプ。ホールズワース風のレガートソロやコードプレイはもちろん、フルピッキングでの高速ソロや全弦スイープなど、単なるフォロワーに留まらない実力を見せつけてくれました。
ベースはテリーと同じくザッパ・バンド出身のダグ・ルン。スキンヘッドにZONの5弦フレットレスを操る姿が印象的でした。
バンド全体の演奏力は凄まじかったのですが、曲に関しては事前の予習不足が響きました。演奏される曲のどれもが非常に前衛的で、変拍子は当たり前。ギターとドラムが細かい音符でユニゾンしまくるような、キメの連続で構成された曲ばかりです。 分かりやすいメロディやテーマが少ないため、油断すると意識が遠のきそうになる場面もありましたが、緻密なアンサンブルや、ギターのフレーズに見事に追従するテリーのドラミング(これはもう笑ってしまうほど凄い)など、見どころは満載でした。
![[ Sic ] [ Sic ]](https://m.media-amazon.com/images/I/51bsngJ3S2L._SL500_.jpg)