hello! progress!!

音楽の話はここで書くかもしれません

Mike Stern Band featuring Makoto Ozone@Blue Note Tokyo/07.3.31(sat) 1st

Mike Stern(g)/小曽根真(org, pf)/Chris Minh Doky(b)/Dave Weckl(ds)
http://www.bluenote.co.jp/art/20070326.html

出発ギリギリまで寝ていたので現着は14:00、友人が先に並んでくれたおかげで、10番の整理番号をゲット、感謝!

と、それはともかくこの日のライブ、最高でした。 相変わらずご機嫌だったMikeのうねうねギターはもちろんのこと、小曽根さんを見るのは10ウン年降りでしたが、この方ピアノが凄いのはもちろん、ハモンドオルガンの腕前もバツグンなんです。(元々オルガン奏者出身なんですよね) 「Wishing Well」のオルガンソロでは感動で思わず涙が出そうになりましたよ。 そして、やっぱりこの人Dave Weckl、手数こそCCEBの時に比べると大人しめにはなってましたが、相変わらず口をあんぐりさせられてしまうようなプレイが随所で炸裂。
バンド内にはいい意味で、緊張感というよりもリラックスムードが漂っていたことで、みんなが笑顔でノビノビとプレイしている雰囲気が客席まで伝わってきました。Chrisとかあんなふざけるキャラだと絶対思わなかったですし。

機材の方は、Mikeはいつものパシフィカ、BOSSで固めた足下、SPX×2にTwin Reverb×2という感じ。ChrisはYamahaのサイレントベースSLB200をメインにYamahaのエレベが1本、アンプもYamahaというYamaha祭り。DaveのキットもYamahaなので、ステージ上がミニYamaha展示会になってましたね。(CCEBもそうだ) スネアはシグネチュアモデルと思われる13"と14"位の2台を使ってましたが、今もデュアルストれいにゃ〜なやつなのでしょうかね。片方はかなりハイピッチにチューニングして、ティンバレスのような音にしてました。
小曽根さんはピアノに対してL字型に、Hammond XK-3+XLK-3をセット(逆サイドにレスリー)。てっきりB-3を使うものかと思っていたので、XK-3にロワーキーボードというのは少々意外な選択です。レスリーの切り替えはハーフムーンスイッチでなくフットペダルで行ってました。

フー・レット・ザ・キャッツ・アウト?

ライブは昨年同様に「Tumble Home」からスタート。(昨年はまだ未発表の新曲でしたね)ここ最近のMikeのレギュラーバンドはキーボードレス&Tenor Sax入りが標準スタイルだったので、最初のカッティングに続くユニゾンテーマの時点で「今回のバンドは違うぞ」という手応え。アンサンブルに絶妙に絡みつく小曽根さんのハモンドが実に新鮮。 ベースもChrisの弾くエレクトリックアップライトベースが、このエレクトリックバンドのサウンドの中で、非常にいいスパイスとして効いてます。 ただし、このサイレントベースの出音が本物のアコベに比べてしまうと、鳴り、タッチノイズひとつ取っても空気感に乏しい為か、どうも平坦に聞こえてしまったのが残念、ここは本物で聴きたかったというのも正直な所です。

相変わらずのうねうねギターを聴かせつつ、徐々にテンションアップ、ディストーションを踏んだらもう“すごいフレーズ"が止まらないMike、一転ピアノでメロウな4ビートへとクールダウンしてみせる小曽根さん、またそこから↑↑へ、といった具合で各自のソロを織り交ぜつつ、気付いたら1曲目だというのに余裕の20分超え。 この辺りの緩急を効かせたバンドの阿吽の呼吸の見事さは、もう凄腕のベテランならではというか、ホントたまらんですね。最終日ということで満席の会場も大盛り上がりで、非常にいい雰囲気でした。

ヴォイセズ

続けて同じく「Who Let The Cats Out?」からの「KT」、こちらも20分近い演奏。そしてMikeと小曽根さんによる絡みから「Wishing Well」へと。これがもう個人的にこの日一番の感動ポイント。オリジナルはRichard Bonnaの美しいボイスが印象的な、中期PMGを彷彿とさせるブラジリアン(?)テイストの壮大な曲ですが、昨年のBob FranceschiniのTenorが入った形とも違う今回の「Wishing Well」。小曽根さんのピアノ、Chrisのアップライト、そしてDaveのブラシと4人の演奏が徐々に深く混ざり合っていく様は正に絶品、思わず目を閉じてうっとりと聴いてた所に飛び込んで来たのが、ラストを飾った小曽根さんのハモンドソロだったのでした。これには完全にノックアウト。そして美し過ぎるエンディングへと…。オリジナルの「Voices」VER.を完全に越えてしまった、と行って過言でない素晴らしい演奏でした。


その後もMikeと小曽根さんの2人によるコミカルなインプロヴィゼーションなども挟みつつ、またまた釘付けになってしまったのは小曽根さんとDaveによるソロタイム。Michel Camiloのようなラテン系の高速ピアノに完璧に追従するDave Wecklのドラム(そりゃそうだ)、テンションの起伏が見事なぐらいにピッタリなのが実に気持ちいい。というかDaveは最初ブラシで叩いていたのに、途中から(ブラシのままなのに)普通にスティックでジャストミートしているような音が鳴りまくってたのは何よ何なのよ! スティックの持ち替えの瞬間業などにも驚きつつ、何度見てもこの人のドラムは叩いてる姿が綺麗です。フォームにブレが無いですし、無駄の無い動きで最大限の音を引き出しているという感じ。相変わらずの恐ろしくタイトなドラムワークに、メロディックな要素が更に加味されて、とにもかくにも「すげー」とため息の連続。