以前から情報は知っていたけど実際に試したことはなかったので……。
今週のお題「最近、初めて〇〇しました」
前置き:エクスプレッションとボリュームペダル
キーボード(シンセサイザー)やギター等の主に音量調整に使う「エクスプレッションペダル」と「ボリュームペダル」について。そもそも、「エクスプレッションペダル」はオルガンの演奏中の音量を調整する(アーティキュレーション)ペダルの名前です。
広義の意味はボリュームペダルと同じですが、LM楽器周辺の用語だと(ギターのエフェクターのように)オーディオ信号を通過させて音量を変化させるものをボリュームペダル。電子楽器に直接接続して任意のパラメーター(主に音量の他、エフェクトの効果、深さなど)をコントロールするのがエクスプレッションペダル、という使い方をされています。
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シンセやDTMに親しんでいれば、MIDIのコントロールチェンジ(CC#11)をコントロールするペダルだと思って貰うと分かりやすいかも(機材によってはCC#11に限らない)。
分かっていればどちらを使うかは迷わないと思いますが、ボリュームペダルにも主にギター用だと接続位置によってハイ/ローインピーダンスの2種類があったり、入出力系がモノラル/ステレオのもの、さらにエクスプレッションペダルとしても使える機能(端子)を備えているペダルもあるので、初めて買う際は結構迷ってしまうかも……?
ボリュームペダルはインサートケーブルでエクスプレッションペダルになる!?
先日、バンドのギタリストがマルチエフェクターのエクスプレッションペダルに使う用途で、間違ってギター用のボリュームペダルを買ってしまったとの話。タイミング的に返品や交換をしてる時間もないということで、「ボリュームペダルをエクスプレッションペダルとして使えるとネットで見たけど……?」との話がありました。
まあまあ有名な裏技?なので自分も知識としては知ってましたが、そういえば実際に試したことがないなと、帰ってから試してみました。
使ったボリュームペダルはBOSSのFV-500L。キーボードやエフェクターの後につなぐタイプのボリュームペダルで2系統ずつの入出力(ステレオ対応)の他、エクスプレッションペダルとして使うためのジャックもあって、普段はそこに3極標準プラグのケーブルを差してシンセのエクスプレッションペダルにしています。
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さて、ボリュームペダルをエクスプレッションペダルとして使うためには、[3極標準プラグ - 2極標準プラグ✕2]のYケーブル、インサートケーブル(インサーションケーブル)を使います。パッチベイやエフェクトループ端子のセンドリターンに使うやつですね。
まあまあ特殊なケーブルで手元になかったので、オーディオ用[3極ミニ - RCRピン]のYケーブル(スマホ等をステレオのAUX INに繋ぐお馴染みのケーブル)に変換プラグを装着して代用します。結線は同じだと思うので、恐らくこれでも行けるはず?
本当はこのような専用のケーブルがあります。
そして、3極標準プラグをシンセのエクスプレッションペダル端子に、2極標準の赤(R)をボリュームペダルのイン1、白(L)をボリュームペダルのアウト2に接続します(モノラルのボリュームペダルの場合は、それぞれインとアウト)。
こんなので本当にエクスプレッションペダルになるのかな?と思いましたが、ボリュームペダルを動かすとエクスプレッションペダルとして動作します。どうしてそうなるのか? 仕組みは分かりません。ちなみに赤と白を反対にすると、本来とは逆の動き(ペダルを踏み込むと、数値が小さくなる/音量が下がる)になってしまうので注意。
ボリュームペダルに可変値を変更するダイヤルが付いている場合は、エクスプレッションペダルの同様のダイヤルと同じ機能として使えるようです。
実際にエクスプレッションペダルとして動作している様子を動画に撮ってみました。
ボリュームペダルをエクスプレッションペダルの代用にする接続 pic.twitter.com/RSHEOkw3Iy
— OKP@音楽垢 (@okprogre) 2024年5月28日
使ってるエクスプレッションペダル&ボリュームペダル
さて、自宅ではFV-500Lを使っていますが、サイズも大きく重量1.6kgの金属の塊なので、バンドの練習等で外に持ち出すにはさすがに邪魔。ということで同じBOSSのEV-30を使っています。コンパクトだけど金属製で剛性感もありますし重量は780gとまあまあ軽い。
ケーブルも別なのでケーブル断線時にも安心です。ちなみにエクスプレッションペダルと機材の接続は、両側が3極標準プラグのケーブルを使います。
以前はRolandのEV-5というケーブル一体型の軽量なエクスプレッションペダルを使っていましたが、これがまあ壊れやすいのです。恐らくケーブルの断線で一度買い直し、2度目の断線で使うのをやめました。分解して簡単なハンダ付けなりケーブル交換をすれば直せるとは思うのですが、そんなタイミングでEV-30が発売されていたので変えてしまいました。修理するつもりで取っておいたEV-5はまだ何処かにあるのかな……?
あとはちょっと特殊ですがオルガン奏法専用に設計されたRoland EV-7というエクスプレッションペダルも持っています(現在はディスコン)。ペダルのストローク幅が広くハモンドオルガンのエクスプレッションペダルに近い動きになっているのだとか。キーボーディストの故小川文明さんが何かでオススメしているのを見て入手したもの。
Nord Stageにはエクスプレッションペダルの端子(コントロールペダル)とは別に、オルガン音源部用のエクスプレッションペダル端子(オルガンスウェル)があるので、2つのエクスプレッションペダルを使っていました。
足元にも2つのエクスプレッションペダルを並べていましたが、ライブの際は片方しか使わないのとサスティンペダルも並んでいて少々手狭になってきたので今は外しています。オルガンの奏法をちゃんと練習したくなったらまた使う予定。