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「Solo: Improvisations for Expanded Piano」Lyle Mays

Solo: Improvisations for Expanded Piano

2000年発表のLyle Maysのソロアルバム。Lyleのソロ名義のアルバムは、これまで4枚出ているのですが、その中でも少し特殊な1枚と言えるでしょう。全編がYamahaのDisklavierというMIDIグランドピアノで録音され、グランドピアノの生音を録音したものに加えて、同時に録音(記録)されたMIDIデータに、後からシンセを割り当てたり、SEをトリガーさせて組み上げた作品となっています。ちなみに録音時にもライルはシンセを同時に鳴らしながら(ボリュームペダルも使い)重ねて録音したようですが、その音はアルバム中には収録されずに、全体の仕上がりを予想する為のもの、また後からダビングするシンセのガイドとして使われたようです。
楽曲の大半が即興曲となっていますが、所謂ジャズピアニストにありがちなピアノ即興とはひと味違う、水晶のように澄み切ったピアノと、独特の色彩感を感じさせるLyle Maysワールドを、ピアノ+シンセという、これぞLyle Maysのコアとも言える楽器によってふんだんに表現されています
ラストの「Long Life」(即興では無いようです)は、非常に美しい曲ですが、Lyle曰くキーボードだけのバンドアンサンブル的なものの再現を考え、Fender Rhodesのトレモロのリズムをドラムに見立てたとのこと。