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エグベルト・ジスモンチ・ソロ〜ナナ・ヴァスコンセロス追悼コンサート〜@練馬文化センター 大ホール/2016.4.20(wed.) 19:30開演

Egberto Gismonti Solo - Remembrance of Naná Vasconcelos -

南米ブラジルの作曲家であり、ピアノ、そしてギターの類い希な演奏家でもあるエグベルト・ジスモンチ。2008年のソロコンサートで実際に演奏している姿を目にして衝撃を受けたのがまだ記憶に新しいです。
3年前の2013年に息子であるアレキサンドル・ジスモンチとの親子共演でも来日公演を行っていますが、その時は都合があって行けませんでした…。

サウダソォンエス

サウダソォンエス

今回はそもそも来日の情報に気付いていなかったのですが、同じくブラジルを代表するパーカッショニストであるナナ・ヴァスコンセロスと共演で来日する予定があったという情報を知ったのは、まさかのナナの訃報を知ったタイミング。その後予定されていた公演は、エグベルト・ジスモンチのソロ公演「ナナ・ヴァスコンセロス追悼コンサート」と名を変えて開催されることとなりました。
www.shalala.co.jp
そのような経緯でしたのでやや迷ったのですが、チケットがまだ取れるようでしたので、直前になって席を確保し行ってきました。何故か2階席1列目のど真ん中… キャンセルが出ていたのでしょうかね。

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会場の練馬文化センター(こぶしホール)は初めて訪れる会場。というか西武線練馬駅自体、初めて来ました。カルディのカフェなんてあるんですね。入ってみたかったですが、そこまでのんびりできる時間がなかったので会場へと向かいます。

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駅と会場は地上2階の通路で、直結しているような利便性の高さです。
会場内ではナナ・ヴァスコンセロスの追悼展示が行われビデオも上映されていました。

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溢れ出す音楽に包まれる至福の2時間半

セットは15分の休憩を挟んだ2部構成で前半はギター、後半はピアノのソロというもの。
1曲目は日本の笙のような(?)な楽器を使っての演奏(タイの「ケーン」という楽器だそうです)。最初、テープ音源に併せて演奏してるのかと勘違いした位、様々な音が同時に飛び出す不思議な楽器でした。
ギターはお馴染みの多弦ギターの他、6弦のガットギターも演奏していたでしょうか。途中フルート(横笛)の演奏もあり、笛のボディを指でパタパタと叩きながらパーカッシブな音を交えての、リズミカルなサウンドを披露。ナナ・ヴァスコンセロスとの共演が実現していたら、どんなユニークなアンサンブルだったのでしょう。
後半のピアノでも相変わらずの超絶技巧を意図もたやすく(そう見える)操ってみせ、なんというか、彼の体中から止めどなく音楽が溢れ出ているといった感じ。
いつまでもこの空間に、エグベルトが奏でる音世界に浸っていたい、そう感じさせる至福の2時間半。アンコールではスクリーンにナナ・ヴァスコンセロスの映像が映し出され、映像のヴァスコンセロスと共に共演を聴かせてくれました。客電が付いてもいつまでも鳴り止まない拍手に、再度ステージに戻ったジスモンチ。「時間がないんだよ(笑)」とジェスチャーで観客を説得(?)しこの日1日限りの公演は幕を閉じました。

〜Setlist(Facebook公演公式ページより)〜

1st Set (guitar)

  1. タイの笙(ケーン)の演奏 インプロビゼーション
  2. Águas
  3. Mestiço & Caboclo〜Dança Das Cabeças
  4. Alegrinho+Saudações
  5. Salvador
  6. ノルウェーの横笛(柳の笛) インプロビゼーション
  7. Ciranda Nordestina
  8. Dança dos Escravos

2nd Set(piano)

  1. Silence + 7 Anéis
  2. Recife
  3. Maracatu
  4. Carinhoso(Pixinguinha)〜O Trenzinho do Caipira(Villa-Lobos)
  5. Sanfona
  6. Infância
  7. Forrobodó

Encore

  1. Don Quixote with Naná Vasconcelos

来場者全員にプレゼントされた「エグベルト・ジスモンチ&ナナ・ヴァスコンセロス〜ブラジルが生んだ音楽の千手観音〜」てぬぐい。2人の共演、二度と見ることができなくなってしまったのは、大変残念です。

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ふたつの声

ふたつの声

オフランプ

オフランプ

私がナナ・ヴァスコンセロスを知ったのはPat Metheny Groupのアルバム「Offramp」の参加ミュージシャンでその名前を見たのが最初でしょうか。