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『Agony & Ecstasy』Malene Mortensen

デンマークの女性ヴォーカリスト、マレン・モーテセンが2009年に発表したアルバムです。今年の初め頃、FMラジオで流れてきた曲がきっかけで購入。
これまでの彼女のアルバムはモダンジャズの流れを汲むスタイルが中心だったようですが、本作は一変してバンドサウンドを強調したポップスやフュージョン、そしてAORテイストの楽曲が並びます。アンサンブルとしてはピアノが中心に据えられていますが、特筆すべきはギタリスト、カール・マーナー・リングストロム(Carl Mörner Ringström)の圧倒的な存在感です。

クリーントーンによる繊細なバッキングから、ディストーションを効かせたアグレッシブな速弾きまで、至る所でギターがフィーチャーされています。この手のジャンルでは珍しくタッピングを駆使したソロまで飛び出す弾きまくりぶりには驚かされました。
さらにボリューム奏法のコードをバックにソロが徐々に盛り上がっていく、王道的なギターインスト曲まで1曲収録されています。ヴォーカルアルバムになぜインストが……という疑問は浮かびますが、それだけこのギタリストがサウンドの核を担っているということなのでしょう。

私がラジオで初めて聴き、購入の決め手となったのがこの「Into Your Heart」です。いきなり7拍子のリフが飛び出す展開は個人的に非常にツボでしたが、こうしたテクニカルな要素を自然にポップスに落とし込んでいるため、この手のサウンドが好きな方なら間違いなく楽しめる一枚です。

主役であるマレンさんの歌声は、透明感のあるストレートな声質。技巧的な楽器陣に埋もれることなく、非常に聴き心地の良いヴォーカルを聴かせてくれます。北欧らしい清涼感と、スリリングなバンド演奏の対比が楽しめる秀作です。