近年のSteely Danや、Donald Fagenの最新作『Morph The Cat』、およびそのツアーにも参加しているギタリスト、Wayne Krantz。本作は1990年に発表された彼のデビューアルバムです。今年に入ってから再発されました。Steely Dan等への参加を経て、ようやく国内でも評価が高まってきたということかもしれません。
一言で表現すればジャズ・フュージョン系のギタリストですが、このアルバムは非常に好みの内容でした。作曲、フレージング、トーン、ダイナミクスと、どれをとっても素晴らしいのですが、特に印象的なのが独特のコードワークです。一筋縄ではいかないと思わせる新鮮な響きが次々と繰り出される様は、実にスリリングです。
ストラトキャスターと思われるギターのトーンも美しく、Eric Johnsonを彷彿とさせるクリアなクリーン、独特のハーフトーン、そして軽いクランチサウンドと、どれも絶品です。これまであまり聴いたことのないタイプですが、どこかMike SternとEric Johnsonを掛け合わせたような雰囲気もあり、ロック系のギターインストゥルメンタルが好きな方にも受け入れられそうです。
収録曲は、ギターソロや、ギターとパーカッションのデュオ(これが非常に良い出来です)、ギターデュオ、トリオ編成と多岐にわたります。さらに再発盤のボーナストラックとして、最新のライブテイクが2曲収録されています。なお、ボーナストラックの曲名はそれぞれ「Blues」「Reggae」と付けられていますが、どちらも既存のブルースやレゲエとは全く別物の仕上がりです。
参加メンバーは、Wayne Krantz(g)、Don Alias(perc)、Jim Beard(key)、Hiram Bullock(b, dr prg)、Dennis Chambers(ds)、Anthony Jackson(b)、Leni Stern(g)、Cliff Almond(ds)など。Hiram Bullockがベースとドラムのプログラミングで参加しているのが興味深い点です。Leni Stern(Mike Sternの夫人)は、ギターデュオの楽曲で共演しています。
