凄まじいKENSOのライブから2日が経ち、会場で購入したNEARfestのDVDもすべて見終えてしまいました。あまりにも満たされてしまい、正直なところ自分の感想など不要なのでは、と思ってしまうほどです。
現在のKENSOは、メンバー一人ひとりの高いミュージシャンシップに裏打ちされた強固な結束力を持ち、プレイ、アンサンブル、そのすべてにおいて隙のない、極めて強力なロックバンドだと感じました。新ドラマー小森啓資氏の加入、NEARfestの成功、そして『うつろいゆくもの』の完成を経て、バンドとしての充実度は過去最高の状態にあるのではないでしょうか。
清水義央氏の気迫あふれるギタープレイも圧巻でした。ライブ直前に腰を痛めていたとのことですが、2時間半に及ぶステージは想像を絶する体力と集中力を要するものだったはずです。それでも一切の妥協を感じさせない演奏を聴かせてくれました。アンコール後の「またいつの日か元気でお会いしましょう。健康でさえあればなんとかなります」という言葉は、とても印象深く心に残っています。
会場に入ってまず目に飛び込んできたのは、小森氏の巨大なドラムセットでした。通常のツーバスに加え、サイズとチューニングの異なるバスドラムをさらに2台配置した構成は、このクラスのライブでは滅多に見られない迫力です。MCで清水氏の指示により「1のキック、2のキック……」と順に鳴らされた際、その違いは明確でした。ツーバスと2種類のバスドラムを使い分けた重厚な“コモリズム”は、今後ライブ音源などで聴く機会があれば、真っ先に注目したいポイントです。テクニカルでありながら、どこまでも図太く、バンド全体を包み込むロックドラムでした。
小口健一氏のキーボードブースでは、コンボオルガンがXB-2からXK-2(と思われます)に変更されていました。相変わらず生レスリーは使わず、デジタルレスリーによるソリッドなサウンドですが、これがすでに小口オルガンの個性として定着しているように感じます。ソロパートではSE-1(?)によるシーケンスに、Dビームを駆使したV-Synthを重ね、スペイシーな世界観を構築。さらにTrinityでの高速リードソロまで含め、非常に密度の高いソロタイムでした。
一方、光田健一氏のセットにはYamahaのCP300が早くも導入されていました。「心の中の古代」へとつながるイントロでのWurlitzer系サウンドや、ソロでのRhodes系エレクトリックピアノなど、まさに光田氏の“手足”として機能していました。小口氏とは対照的に、端正でクラシカルなピアノを軸とした、穏やかでロマンチックなソロを展開。個性の異なる二人の凄腕キーボーディストが並び立つKENSOの強さを、改めて実感させられました。
来年もまた健康で、KENSOのライブに足を運べることを願っています。
Setlist(153分)
- イントロ〜「心の中の古代」
- 「願いかなえるこどもをつれてゆこう」
- 「美深」
- 「痛ましき晦冥」
- 「あの頃モビーディックと」
- 「そこはまあそこはかとなく」
- 「木霊の舞う情景」
- 「シヅカへの扉」
- 「三つ縄6/8」
- 「風の中の菲林」
- 「暁に楽師が」
- 「GOS」
- (小口健一 solo)〜「Tjandi Bentar」
- (三枝俊治 solo)〜「A Single Moment of Life」
- (光田健一 solo)〜「Echi Dal Foro Romano」
- 「Power of The Glory」
- 「麻酔 Part2」
- 「空に光る」
- 「Rhyme-Stone in Cotswolds」
- encore:「月の位相-II」
- encore:「月の位相-I」(小森啓資 solo incl.)
- encore:「精武門」
KENSO:
- 清水義央(g)
- 小口健一(key)
- 光田健一(key)
- 三枝俊治(b)
- 小森啓資(ds)
