昨年の東京国際フォーラム公演での強烈な体験から1年以上を経て、ようやく『THE WAY UP』の完全体とも言える映像作品に触れることができました。本作付属の解説で、ライターの工藤氏が「この映像は世界遺産である」と評している点についても、異論を挟む余地はほとんどないように思います。
約65分に及ぶ一曲構成(来日公演では70分超)にもかかわらず、その時間は驚くほど短く感じられます。Part 1でLyle Maysのソロが終わり、ようやく一息ついた時点で、プレイヤーのカウンターはすでに25分を超えている。本作を観た多くの人が、同じ感覚を味わうのではないでしょうか。
これまで数多くのライブを観てきましたが、『THE WAY UP』を超えるほどの生命力と感動をもたらす演奏に、今後そう簡単に出会えるとは思えません。いずれにしても、この作品の素晴らしさを言葉だけで表現することは困難です。少しでも興味を持たれた方には、まず本作を手に取って体験していただくことを強く勧めます。Part 3でボイスが加わり、大団円を迎える場面では、1年半前の記憶と重なり、再び深い感動に包まれました。
それにしても、メンバー全員の演奏力は常軌を逸していると言ってよいでしょう。7人編成は一般的なバンドから見れば多人数ですが、これほど壮大かつ複雑な音楽を、わずか7人で完全に再現している事実は、もはや奇跡的です。オープニングでのLyle Maysの演奏を目にした瞬間、ただ圧倒されるばかりでした。
ドラムのAntonio Sanchezがベースを弾いていたことは印象に残っていますが、Nando Lauriaがフリューゲルホルンや鍵盤ハーモニカを演奏していた点には、正直なところ後から気づきました。そのNando Lauriaの映像カットが他メンバーに比べて少ない点にはやや不満もありますが、7人全員がそれぞれ極限的な役割を担っている以上、致し方ない部分でもあります。Lyle Maysのファンとしては、非常に満足度の高い内容です。
収録時間は全91分(本編69分+ボーナスインタビュー22分)。2層ディスク仕様で、映像クオリティにも一切の不満はありません。34分付近でレイヤー切り替えが入る構成すら、どこか贅沢に感じられる完成度の高い映像作品です。
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