- アーティスト: アントニオ・サンチェス,スコット・コリー,クリス・ポッター,デヴィッド・サンチェス,パット・メセニー,チック・コリア
- 出版社/メーカー: ビデオアーツ・ミュージック
- 発売日: 2007/09/05
- メディア: CD
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Antonio Sanchez、不動のメンバーと思われたPMGのカルテット(「Quartet」というアルバムを出してるぐらいなのに)の一角に、アルバム「Speaking Of Now」にてこの人の名前が加わったのを見た時には大層驚きましたが、その時のPatのAntonioへの惚れ込み具合は半端でなく、各インタビューでもAntonioありきの新生PMG、と話していたのが記憶に新しいですね。そんなドラマーAntonio Sanchezの初リーダー作が先月発表されました。
基本的にDavid Sanchez(ts)、Chris Potter(ts)、Scott Colley(b)というダブルテナーのカルテット編成ですが、ボーナストラックを含む2曲でChick Coreaが楽曲提供とゲスト参加、そしてPMGのボスでもあるPat Methenyも1曲の提供と2曲でのゲスト参加をしています。それ以外の楽曲はAntonioによる作曲。
オープニングはChick Coreaゲストのトリオ曲ということで、昨日紹介した「Dr.JOE」の雰囲気に近く、いかにもChickというテーマがカッコイイ。というか本作のセッションが切っ掛けで、Chickが自らのレコーディングにAntonioを招き入れたのだとか。PatやChickという一流のビッグネー達のインスピレーションをかき立てまくる何かがあるのでしょうねぇ。
カルテットにPatが加わった#3、落ち着いた導入から徐々に盛り上がっていく美しいナンバー。Patとの競演は、ラストにドラムとギターのDuoで「Solar」が収録されていますが、2人のプレイの阿吽の呼吸が実に見事です。 得意のフットクラーベから始まる#4。4/5という拍子で4のクラーベと8のハットを同時に刻みながら(BNTでもやってましたねー)のドラムソロは一体どうやってるのだか? ドカドカと派手でアグレッシブに叩きまくる訳でなく、あくまで落ち着いた雰囲気の中、ビシビシと小気味よく決まる技の数々が気持ちいい。コード楽器不在の中、本作はダブルテナーというのもありますが、Antonioの演奏がアンサンブルの立体感を引き立てているようです。ドラムだけでなくピアノや作曲法などアカデミックな方面においても音楽に深い造詣を持つAntonioならでは、と言えるかもしれません。
ブックレットには例のモジャ頭にキャップを被り、更にヘッドホンをしてRecordingをしているPatさんの姿もw