hello! progress!!

音楽の話はここで書くかもしれません

Antonio Sanchez & Migration@Blue Note Tokyo/2015.4.14 (tue.) 2nd set 21:00〜

Pat Metheny Group〜現在はPat Metheny Unity Groupのドラマーとしても活躍するアントニオ・サンチェスが自信のユニット「マイグレイション」を引き連れて初来日を果たすということで、久々のブルーノート東京に行ってきました。
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直近では、映画「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」の音楽を担当したことでも話題となり、今回の来日公演に併せて(どちらが先?)映画のプロモーション活動なども行った彼ですが、演奏された音楽はあくまで彼のソロアルバムが中心の内容。…といいますが、彼が担当した映画音楽は、器楽アンサンブルの楽曲でなく、映像に併せたドラムの即興演奏が中心なのだとか… それはそれで見て(聴いて)みたくなりますけども。

しかし、最初に彼が映画音楽を担当したと聴いたときに、ごく普通に映画音楽のスコアだと勘違いしてしまったのは、これまで彼が録音してきたソロアルバムのどれもが、豊な旋律に溢れた緻密なアレンジの織り込まれた楽曲ばかりが収められていたからです。

さて、私が鑑賞したのは来日公演の初日となる14日の2ndステージ。比較的早めの整理番号だったこともあり、ピアノのジョン・エスクリートの目の前、そしてアントニオ他各メンバーがよく見える席からライブを楽しめることとなりました。
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目の前にはRhodesピアノ!(使用されたのは「The Real Mcdaddy」だけでしたけども)

1曲目は現在の最新のソロ作『Three Times Three』からの「Constellations」。続く「Nar-This」も同様ですが、アルバムではなんとブラッド・メルドーを迎えて録音された曲です。アルバム収録ver.以上に躍動的に切り込むジョン・エスクリート(p)の演奏が光ります。
各曲、各々のメンバーのソロをたっぷりと回すので、1曲20分近い長丁場の演奏になりますが、全く飽きさせないのがこのマイグレイションというバンドの技量と豊かな表現力。

スリー・タイムス・スリー [日本語帯・解説付] [輸入CD]

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2曲終えた時点でアントニオ・サンチェスによるMC。
「この僕の大好きな素晴らしいジャズクラブに、これまでパット・メセニーチック・コリアマイケル・ブレッカーゲイリー・バートンといったミュージシャン達と何度も訪れることができ、とても光栄です。しかし、今日は更に幸運なことに、彼ら(マイグレイション)と一緒に来ることができました!(笑)」(〜メンバー紹介へ)

実は、今回初めてアントニオが生で喋っているのを聴きました(笑)(いつもはサイドマンですしね) なんだかとても嬉しそう!
私も同じ会場でのパット、チック、ゲイリーの公演で何度もアントニオを見てきましたが、この日の彼はこれまで見たことがない位に和やかです。サイドマンとしては、あまり感情を表に出さないタイプのプレイヤーだと思っていましたが(プレイは毎回物凄いのですけどね)、やはり自身のバンドということもあってか非常にリラックスした表情で、各メンバー達と笑顔でアイコンタクトを交わし演奏を繰り広げます。

そして、前作「New Life」からタイトルトラックの同名曲。私、この曲が本当に大好きで、今回ぜひ生で見たいと思っていたのでもう感動です。アントニオもお気に入りの曲なのか、セットリストの内容をガラリと変化させている1st、2ndのどちらでも披露されたようです。

New Life

New Life

原曲ではヴォイスも加わる、かつてのPat Metheny Groupを思わせるような壮大な曲なのですが、この日はサックスのベン・ウェンデルが中心となってテーマを奏でます。彼はマイグレーションの中ではデヴィッド・ビニーに変わっての一番新しいメンバー。
以降の2曲も「New Life」からのナンバー。ここまでで既に100分近い演奏時間でしたが、しっかりアンコールにも応えてくれ、再度『Three Times Three』からフリー・ジャズ風の「I Mean You」。こちらは元々ジョー・ロバーノがフィーチャーされた曲ですが、これまたベン・ウェンデルがユニークかつ気を吐いた演奏で見事に楽しませてくれました。

終わってみれば時間は23時半を回っています。なんと初日から2時間近いステージと、今回のアントニオ・サンチェスがいかにノリノリだったかが伺えます。私などは帰りの電車がちょっと気になってしまったぐらいですが(笑)、心地よいライブの余韻に浸りながら無事帰宅することができました。

〜Setlist〜

  1. Constellations
  2. Nar-This
  3. New Life
  4. Nighttime Story
  5. The Real Mcdaddy
  6. I Mean You(encore)

Antonio Sanchez(ds), Ben Wendel(sax), John Escreet(p), Matt Brewer(b)

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翌日からは丸の内のCotton Clubに会場を移して3夜のライブが行われる来日スケジュールですが、この日記を書いている現時点では本日17日(金)の2nd公演を残すのみ。もっともっと多くの人に見て貰いたい、そう思わせる幸せなステージでした。

最後にアントニオ・サンチェスがPat Metheny Unity Groupの「Rise Up」を叩くヤマハのプロモーション動画。素晴らしいですね! 願わくばブラシからスティックに持ち帰る動作を見せて欲しかった(笑)