Rushの旧作映像3作品をDVD化し、さらにボーナスCDとして『Grace Under Pressure Tour』の音源を加えたボックスセットです。輸入盤でリージョンフリーですが(Amazonではリージョン1表記)、このボリュームで4,800円は非常にお得です。
収録内容は、1980年のツアーを収めた(一部ナレーション入りのライブドキュメント)『Exit Stage Left』、1984年のアルバム『Grace Under Pressure』に伴うツアー映像『Grace Under Pressure Tour』、そして1987〜88年のツアー映像『A Show Of Hands』の3作品です。いずれもファンにはお馴染みの名作ライブ映像で、Rushが最も脂の乗っていた80年代初期・中期・後期のパフォーマンスを収めています。ファンでなくとも、非常に満足度の高いDVDセットと言えるでしょう。
音声はリマスタリングされており、最近の音源と遜色なく聴くことができます(若干音量が高めです)。映像は当時のクオリティですが、彼らのファッションや使用楽器・機材などを知るうえで非常に参考になる内容です。
Rushは『Permanent Waves』以降、ポップでコンパクトな楽曲に、複雑で高度な演奏やアレンジ、親しみやすいキャッチーなメロディを共存させてきました。これにより、通常のロック・プログレ系バンドとしては異例とも言える長期にわたる人気を誇ってきました。90年代以降も類い稀な創造力は衰えず、30年以上のキャリアを通して最前線で活動し続けていることは、『Rush in Rio』や『R30』などの映像作品からも明らかです。
特にAlex Lifesonのギターは非常に印象的です。独特の空間的なサウンドとアプローチは、PoliceのAndy Summersの影響もあるのでしょうか。ちなみにジャズギタリストのKurt Rosenwinkelが空間的表現の例として、Pat MethenyやAllan Holdsworthと並んでLifesonやSummersの名前を挙げている点も興味深いです。若き日のAlexも『Exit Stage Left』で確認できます。
使用楽器についても興味深く、80年代は多くのドラマー同様、Neil Peartはシモンズのエレクトリックドラムをキットに組み込んでいました。現在はRolandのV-Drumsとエンドース契約を結んでいます。
