8分音符で刻むコンプレッサーの効いたピアノ、リッチなストリングス(メロトロンのアンサンブル的でもある)の旋律、そしてフィルでハネるドラム(ハットやシェイカーはあえてハネさせていないバランス)など、どこか2期タンポポを彷彿とさせる極上のポップスに仕上がっています。あそこまでオケが主張しすぎない引き算の美学がたまりません。わずか3小節で転調するイントロや、Bメロの繰り返しでメロディを半音上げるといった細かな仕掛けも、個人的に「ズキュン」とくるポイントです。
そして、この曲の胸を締め付けられるような雰囲気を演出しているのが、Berryzたちのボーカル力です。特に今回フィーチャーされている菅谷梨沙子、夏焼雅の二人の歌声が、この曲の持つ「未完成でどこか儚げな世界」に見事にマッチしています。ファルセット混じりで歌われるサビは、この世代の彼女たちにしか出せない響きでしょう。インスト盤を聴くとよく分かりますが、Bメロやサビの女性コーラスもいい味を出しています。
歌詞の世界観も素晴らしい。冒頭の「明日の朝目が覚めた時には、美しくなってたらいいな」という一節は、乙女パスタに感動(タンポポ)でも描かれたシチュエーションを思わせますが、日常の何気ない一瞬を切り取る筆致が実に巧みです。『VERY BEAUTY』という大仰なタイトルや、サビの締めの「それが女よ」というフレーズがありつつも、決して背伸びしすぎているわけではない。日常のふとした瞬間の思いを重ねてこの世界を作り上げてしまう、つんく♂さんの「女の子力」には驚かされます。
