年末恒例となった上原ひろみの日本ツアー。実際に見るのは2007年のSonicbloom名義以来でしょうか。Anthony JacksonとSimon Phillpsという大ベテランを迎えてのアルバム『VOICE』に伴うツアー。そんな久々の上原ひろみさんのライブでしたが、もう最高でしたよ!
個人的に以前のツアーメンバーであるTony GreyにMartin Valihoraといった上原ひろみと同世代の先鋭ミュージシャンとの丁々発止が上原バンドの魅力だと思っていたので、最新アルバムの出来の良さは当初いい意味で裏切られたのですが、ヨーロッパなど各地でのツアーを経てバンドのアンサンブルはより濃密になっていました。都合良く解釈するなら、デビュー直後は同世代のミュージシャンとがむしゃらになって高め合うことに専念し、満を持してのベテランとの新バンドで更なる領域へ… という計算が本人にあったかは分かりませんが、なんにせよ非常に良いタイミングでの新バンドだったのではないでしょうか。(その前にStanley Clarkのバンドもありましたね。グラミーも取ったし)
さて、今回個人的にツボだったのがSimon Phillpsのドラム。これまでTOTOやSimonソロ名義での来日を始め、様々なバンドで彼のドラムを見てきました。好きなドラマーではあるものの、チューニングのせいもあるのか、凄くテクニカルな事を叩いているのに「重たい」というか、表現は悪いですが「ドタバタ」した感じに聴こえてしまい、そこまでのめり込むことが無かったのですよね。しかし今回のSimonはツボに入りまくり。プレイはいつもの延長線だと思うのですが、Anthonyとの絡みが良いのか何なのか分かりませんでしたが、上原ひろみの魅力をこれまで以上に弾きだす一因になっていたことは間違いないでしょう。
上原さんにしてもテクニックの凄まじさは今更言うまでもありませんが、表現力の深さにより磨きがかかっていたように感じられました。ライブオープニング「Voice」のソロ部分で一気に引き込まれ、間違いなく本編ハイライトのひとつだった「Flashback」、息を呑むほど感動的だった「Haze」、そして誠実な人柄を覗かせるMCと、心の底から音楽を楽しみながら、全てを注ぎ込むような真剣勝負を魅せてくれました。
そんなこんなで新譜の曲はもちろんのこと、本編ラストとアンコールで演奏された「Dancando No Paraiso」に「Summer Rain」という1st収録のナンバーが、強烈にパワーアップしていて大興奮だった大団円でした。また来年も見に行きたいですね… チケットが取れたならw
〜Setlist〜
1st
- Voice
- Now or Never
- Labyrinth
- Temptation
- Desire
〜Intermission〜
2nd
- Delusion
- Flashback
- Beethoven's Piano Sonata No.8, Pathetique
- Haze
- Dancando No Paraiso
- Summer Rain(encore)
- アーティスト: 上原ひろみ ザ・トリオ・プロジェクト フィーチャリング・ アンソニー・ジャクソン&サイモン・フィリップス
- 出版社/メーカー: ユニバーサルインターナショナル
- 発売日: 2011/03/16
- メディア: CD
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