http://clubcitta.co.jp/001/europeanrockfes/
行ってきました「ヨーロピアン・ロック・フェス2013」。ヨーロピアンと銘打ってますが実際には「スウェーディッシュ・プログロック・フェス」と言っても差し支えないメンツ。やはり個人的には昨年からの大注目バンドMoon Safariがお目当てということで、2日目の公演に参加してきました。プログレというよりは、まるでJellyfishやValensiaを思わせるポップさと重厚なコーラスワークに、シンフォニックかつ緻密なインストセクションが絶妙に絡み合うこのバンドが、実際のライブでどれだけのパフォーマンスを見せてくれることか、自分を含めた多くのファンが期待をしていたことでしょう。
そのMoon Safariの出番は2日目のトップバッターでしたが、期待値を遙かに凌駕する素晴らしいステージでした。開演時間から5分程としてMoon Safariののステージが開演。オープニングのBGMとして使われたのはTwitterなどの情報でこちらのCass Elliott「Make Your Own Kind of Music」とのこと。YouTubeなどを見ていると海外での公演でも使われている曲のようですね。
6/8拍子の6つカウントで「来た!」と分かるオープニングナンバーは「A Kid Called Panic」。一昨年の「NHKプログレ三昧」で流れたことでこのバンドの人気に火が付いたナンバー、正に僕もそんな中の1人。ステージ上のメンバーはセンターにメインボーカルとアコギ(12弦)のPetter Sandström、上手にギター&ボーカルのPontus Åkesson、キーボード&コーラスのSebastian Åkesson、ドラムのTobias Lundgren、ベース&ボーカルのJohan Westerlund、そして下手にもう1人のメインボーカルを取るキーボードのSimon Åkessonという布陣。ちなみにキーボードのSimonを筆頭にメンバーはかなりのイケメン揃いですw
SimonはNord WaveとNord Electro3の73鍵、SebastianはElectro3の61鍵のみという機材。後に出演するバンドでもCLAVIA率が高かったですが、このあたりはいかにもスウェーデン出身のバンドといった感じ?
さて、「A Kid Called Panic」はいきなり14分の超尺曲ですが、重厚なコーラスパートを含めかなりの再現度で曲を展開させていきます。若干PAバランスが悪く見せ場の多いSimonのキーボードが聴こえにくいのが残念。Petterは慎重めのプレイで最初のうちやヒヤっとするシーンも見られましたが、アンディ・ラティマーやスティーブ・ロザリーを彷彿とさせるメロディアスなリードを取ります。Sebastianはオルガンとメロトロン、パッド系の音色を中心に、基本的にSimonの演奏を中心に手が足りない所で補う形で演奏しているようにも見えました(弾かない時はタンバリンを叩いたりも)。
1曲目が終わった段階でしばらく鳴り止まない拍手と歓声。やはり観客もこの曲を聴きたかったのでしょう。その後「Heartland」「Yasgur's Farm」「New York City Summergirl」と比較的コンパクトな曲が続きます。といっても「Yasgur's Farm」は9分弱ありますが… 「Yasgur's Farm」のイントロリフはてっきりチキンかと思ったらピックで弾いてました…。
次で最後の曲とのMCに「えーーー!!!!」という客席、って本人達分からないだろ(笑) しかしここで演奏されたのが、最新シングルの「Lover's End Pt. III: Skellefteå Serenade」。24分を超える大作ですが、美しいメロディに中間部のインストセクションを含む見事な構成、そして美しいコーラスワークのこの壮大な曲を見事にライブで再現してくれました。当然会場はスタンディングオベーション、そこからはアンコールの体で(フェス形式なので引っ込んで再登場、みたいな演出は無く)2ndアルバム『Blomljud』からの名曲「The Ghost of Flowers Past」を披露。さらに最後に1本のマイクの前にメンバーが集まって聖歌隊を思わせるアカペラの「Constant Bloom」*1。この締めで完全に会場が持っていかれました。歌い終わった直後のもの凄い歓声と会場を包んだ興奮は筆舌に尽くしがたいものがありました。今まで数々のライブを見てきた自分も、久しく無い種類の感動。
決して完璧な演奏や超絶テクニックで勝負するバンドでは無いのですが、構築されるアンサンブルの美しさ、何よりも曲の(メロディの)良さ、そして歌の力を持って十二分に魅せてくれました。
座席を並べたライブハウス公演ということで600席+立ち見がせいぜい100人程度と思われる規模の会場ですが、セットチェンジの間に、驚く程の絶賛の声がTwitter上に寄せられたことからも、その衝撃がどれほどの物だったか分かるかと思います。そんな公演終了後のTwitterでの声を分かる範囲で拾ってみたのが以下のまとめ。
Moon Safariの衝撃 - togetter
Setlist/Moon Safari
- A Kid Called Panic
- Heartland
- Yasgur's Farm
- New York City Summergirl
- Lover's End Pt. III: Skellefteå Serenade
- The Ghost of Flowers Past
- Constant Bloom
「ポップであることを恐れない」覚悟 - インターネットもぐもぐ
ジャンルは全く違えど、先日ホッテントリで見たこの言葉をふと思い出した瞬間。
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イベントはその後、大ベテランのTrettioariga Krigetが登場。不勉強で彼等の音を聴くのは初めてだったのですが、ベテランらしいいぶし銀の演奏が非常にパワフルで格好良く、デビューアルバムが1974年とのことで、自分と同い年のキャリアを持つおじさま方にちょっと親近感を持ってしまいました(笑) トリを飾ったThe Flower Kingsは前日にも公演をしていたとのことですが、こちらはもう圧巻のパフォーマンス。演奏の巧さ、楽曲の緻密さ、そしてパフォーマンスの練度と油の乗りまくったベテランの凄みをたっぷりと見せつけてくれました。
土曜出勤の直後ということで5時間の長丁場はちょとこたえましたが(笑)、同行の妻も前日から参加の友人も共にMoon Safariには大感激で終演後も彼等の話題で大いに盛り上がりました。今年にはニューアルバムも完成予定とのことで、早くも単独での再来日が楽しみです。
Simon Åkessonと同じような機材使ってる僕はイケメンとはほど遠いのです><
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