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Refugee「Refugee」

レフュジー(紙ジャケット仕様)

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亡命者や難民、という意味の名前を持つこのバンド。そもそもKeith Emerson率いるThe Nice(2nd以降キーボードトリオ形態)が、その看板プレイヤーKeith Emersonが、ご存じ世紀のスーパートリオELPを結成する為にバンドを去り、残されたベースのリー・ジャクソンにドラムのブライアン・デヴィソンが、紆余曲折の末、新たに結成したNiceタイプのキーボードトリオがこのRefugeeでした。73年結成、アルバム発表は74年。元Niceの2人が白羽の矢を立てたのがスイス出身の天才キーボーディスト、Patrick Moraz。Emerson同様にジャズとクラシックに通じ、歴代Yesのキーボーディストの中でもテクニックにおいてはRick Wakemanを凌ぐ(?)とも言われる腕前を持つモラーツですが、本作では17分を超える2曲の大作を含む全ての曲を手掛け(一部競作)、全面的に主導権を握ったかのRefugeeのサウンドは、NiceともELPとも全く違う新しいキーボードトリオサウンドを形成しています。ピアノによる正確無比な高速プレイ、クラシックだけでなくジャズロック/クロスオーバーの色も強く感じるフレージングや、シンセサイザーの音使いなど(Chick Corea的なminimoogらしき音色なども)、Emersonを失い文字通り亡命者となっていた2人は、この力強いメンバーに多くの可能性を感じたことでしょう。しかしそんなモラーツもアルバム発表直後に、今度はRick Wakemanが脱退したYesに引き抜かれることとなり、本作1枚を残してまた2人はRefugeeとなることになったのでした…。