2003年の『These Times』以来、3年ぶりとなるMike Sternのニューアルバムです。参加ミュージシャンには、Mike Stern(g)、Jim Beard(key)、Bob Franceschini(ts)、Bob Malach(ts)、Roy Hargrove(tp)、Richard Bona(b, voice)、Anthony Jackson(b)、Victor Wooten(b)、Meshell Ndegeocello(b)、Chris Minh Doky(b)、Dave Weckl(ds)、Kim Thompson(ds)、Gregoire Maret(harm)……と豪華な顔ぶれが並びます。
アルバムの冒頭を飾るのは、今年1月の来日公演でもオープニングナンバーとして演奏された「Tumble Home」です。ファンキーなフュージョンナンバーから、ボナのヴォイスを活かしたワールドミュージック風の楽曲まで、『Voices』以降のSternのアルバム路線を踏襲しつつ、さらに洗練させた完成度の高い作品になっています。
4曲目の「Language」は、Bonaのヴォイスによる美しいメロディと、Sternのアコースティックギターのストロークが絡み合い、どこかPMG(Pat Metheny Group)を思わせる仕上がりです。その上に乗るソロはしっかりStern節なのですが(笑)。相変わらずのうねりのあるギタープレイに、盛り上がってくるとディストーションをオンにして弾きまくるスタイルは、分かっていてもやはり「これだ」と感じさせてくれます。
本作はベーシストが4人、ドラマーが2人という強力なリズム隊が支えています。現在のツアーメンバーでもあるChris Minh Dokyのアコースティックベースが良い味わいを醸し出しており、16ビートのシャッフルが心地よい「Tumble Home」をアコースティックベースで弾く姿は非常に格好良いです。ドラムはお馴染みのWeckl氏に加え、女性ドラマーのKim ThompsonがWeckl氏よりも多い7曲で叩いています。彼女は最近のSternのお気に入りらしく、2曲目の「KT」は彼女のイニシャルとのこと。近々、彼のレギュラーバンドとして来日するかもしれません。ちなみにこの曲のベースはMeshell Ndegeocelloで、女性リズム隊という編成になっています。
また、Methenyファンとしては2曲に参加しているハーモニカ奏者、Gregoire Maretの名前も見逃せません。5曲目の「We're With You」ではSternのガットギターに、MaretのハーモニカとBonaのベースが寄り添い、幻想的で美しい世界を作り上げています。どことなくMethenyを彷彿とさせる牧歌的な雰囲気も感じられます。
最後になりますが、プロデューサーも兼ねるJim Beardの的確なサポート(pf、Hammond、Clavinetなど)は相変わらず素晴らしいです。ぜひレギュラーバンドに鍵盤奏者を入れて来日してほしいものですね。そういえば、『ジャズライフ』誌8月号の小曽根真さんのインタビューで、Sternとツアーをやるかもしれないという話がありましたが、それはぜひ見てみたい組み合わせです(小曽根さんはピアニストとして有名ですが、ハモンドオルガンの演奏も素晴らしいのです)。
