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「ライフワークは音楽 電子楽器の開発にかけた夢」梯郁太郎

ローランド創業者による日本の電子楽器史

日本を代表する電子楽器メーカー、ローランドの創業者であり電子楽器の技術者として、国内のシンセサイザーの発展に大きく貢献、さらにはMIDI規格の制定にも大きな貢献を果たした梯 郁太郎誌による、自叙伝でもあり日本の電子楽器開発の歴史ともいえる一冊。
現在では一線を退きながらも経営者としての手腕が話題にされることが多かった梯氏だが、本書を読むといかに音楽を愛し、新たな電子楽器を生み出すことに情熱を注いでいたかが伝わってくる。
ハモンド・オルガンの演奏に欠かせないレスリー・スピーカーの生みの親であるドン・スレリー氏やドラムヘッドのレモ社社長、レモ・ベリー氏、作曲家であり日本のシンセサイザーの父、冨田勲氏との対談も非常に興味深い。

ちなみに本書の発行は2001年だが、2013年に梯氏がグラミー賞(テクニカル・アワード)を受賞した経緯もあってか、2013年に「サンプルのない時代」と改題された増補改訂版が発行されている。

関連作品

職人的な興味から楽器製造へのめり込み、現在のヤマハとなる日本楽器を創業した山葉寅楠氏とは同じ楽器メーカー創始者としても、随分とタイプが異なるのも面白い。個人的にはKORG創業者である、加藤孟氏の伝記なども読んでみたい。

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