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CASIO XW-P1を試弾


今年のNAMMショーにて発表され一部で話題となったCASIO久々の本格シンセXW-P1を触ってきました。店頭売価6万円を切る価格設定ということで、80年代後期に発売されていた同社シンセの最終形VZ-1、FZ-1などのようなプロ仕様のラインで無いことは想像できましたが、実際に触ってみるとやはり同社のポータブルキーボードCTKシリーズあたりの筐体や鍵盤を流用したと思えるチープな作りと外観で、エントリー層向けシンセの色を強く感じさせます。
操作系統もシンセというよりはCTKシリーズ的なチープさですが、音の方はこの価格帯のシンセにしてはなかなか個性的。PCM系のプリセットは凡庸ではありますが、ソロシンセ・セクションやへクスレイヤー・セクションなど、6系統のオシレーターを組み合わせた音色の分厚さなどは特筆すべきポイントだと思われます。また、この価格帯の楽器では初?と思われる、ドローバーオルガン機能ですが、音は細すぎレスリーシミュは空気感ナシで、これは正直オマケのレベル。恐らくCTKシリーズに搭載されていたものと大差ないようですが、外付けの高品位のレスリー・シミュレーターを使うことで大化けすると思いますし(これは元音源な何でもそうなのですがw)、物理ドローバーを搭載したキーボードに高校生などのエントリー層から触れることができるというのは、素晴らしいことだと思います。
とはいえ、この価格帯のシンセは最近では各社ともかなり高性能なものが投入されているだけに(KORG M50が7万円切ってるとか驚きですね)、ビギナーの1stキーボードとして文句なしにお薦めできるかというと少々微妙な所。汎用性の高い音色を手軽に沢山使えるシンセを求めるなら、他社製品の方が無難ですが、昔から他社製品とは一線を画す個性派シンセを生み出してきたメーカーらしい、オモシロゲなシンセだと思いますよ。
http://casio.jp/emi/products/synthesizer/xwp1/

CASIO XW-P1 PERFORMANCE SYNTHESIZER カシオ シンセサイザー 61key

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